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『日本・欧米間、戦時下の旅』その2。第二次世界大戦中、海外から日本に帰国した人名リスト

我が読書人生で最高の愛読書、泉孝英『日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録』淡交社の第二弾です。第一弾は以下。


ハマザキカク最高レベル愛読書『日本・欧米間、戦時下の旅』その1。対日断交・宣戦布告した国リスト


前回の『対日断交・宣戦布告した国リスト』に引き続き、今回は戦時中に海外から命からがら日本に戻ってきた人達を紹介します。以下がこの本で登場する人達です。


秋山理敏、朝海浩一郎、浅沼稲次郎、阿部勲、阿部勝雄、阿部行蔵、大野芳太郎、天羽英二、荒垣秀雄、新木栄吉、有吉義弥、安東義良、井川克一、井目貞夫、井目良治、池田勇人、井坂孝、石射猪太郎、石垣綾子、石垣栄太郎、石川信、石橋長英、泉蔵、磯田三郎、市河彦太郎、市橋和雄、一万田尚登、伊藤昇、伊藤道郎、犬丸秀雄、井上庚二郎、井上益太郎、入江啓四郎、入船直三郎、岩倉具実、上田昌雄、植村環、魚本藤吉郎、牛場信彦、臼井健、臼井淑郎、内田藤雄、梅田良忠、梅津美治郎、宇山厚、卜部敏男、瓜生復男、嬉野満州雄、江尻進、衣奈多喜男、榎本桃太郎、海老名敏明、円城寺次郎、遠城寺宗徳、遠藤周作、大賀小四郎、大久保利隆、大崎正二、犬島鎌吉、大島浩、大鈴弘文、大角岑生、太田三郎、大瀧孝義、大谷光暢、大森元一郎、大山郁夫、岡野保次郎、岡村二一、岡本清福、岡本太郎、岡本季正、小川亮作、荻須高徳、奥村勝蔵、奥山幸蔵、桶谷繁雄、小田善一、小野幸太郎、小野七郎、小野田捨二郎、小野寺信、小野寺百合子、賀川豊彦、角谷静夫、加瀬俊一、片岡美智、片岡安、加藤勝治、加藤外松、加藤匡夫、加藤美雄、金山政英、兼松武、加納久朗、上村伸一、河相達夫、河崎一郎、河野健治、河原一郎、川村知、神田襄太郎、菊地庄次郎、喜多長雄、北原秀雄、木下良順、木村四郎七、清川勇吉、工藤信一良、邦正美、栗原正、栗山茂、来栖三郎、黒田音四郎、桑木務、向後英一、高野二三男、甲谷悦雄、小島太作、小島秀雄、近衛秀麿、小林一三、小林高四郎、小松清、小松光彦、小室恒夫、古森善五郎、今日出海、近藤賢一郎、西園寺公一、西郷従吾、斎田藤吉、斉藤博、斎藤正躬、坂田二郎、坂西志保、酒巻宗孝、坂本龍起、坂本瑞男、昌谷忠、佐久間信、佐倉潤吾、桜井一郎、桜井三郎、酒匂秀一、笹本駿二、笹森猛正、薩摩治郎八、佐藤克郎、佐藤正二、佐藤鉄松、佐藤尚武、真田為市、佐貫亦男、実松譲、沢静子、沢田廉三、椎名其二、重光昌、重光葵、七田基玄、篠原正瑛、清水健太郎、清水三郎次、清水武男、下田武三、白幡友敬、進藤孝二、出納功、菅良、杉浦徳、杉原千畝、鈴木耕一、鈴木九万、鈴本文史朗、鈴木光信、鈴木龍一、須磨弥吉郎、諏訪根自子、関興古、関守三郎、関口俊吾、瀬崎晴夫、瀬島龍三、曽木隆輝、高岡禎一郎、高水廣一、高本正孝、高碕達之助、高瀬侍郎、高田市太郎、高田博厚、高田正夫、高橋保、高松棟一郎、高柳健次郎、高和博、瀧沢敬一、出口二郎、武内龍次、武野義治、田島英三、田付景一、建川美次、田中絹代、田中路子、田部文一郎、田辺平学、田辺宗夫、谷口吉郎、田丸直吉、田村秀治、淡徳三郎、チェルビ菊枝、千葉皓、千葉蓁一、津田正夫、土屋隼、筒井潔、都築正男、角田文衛、津山重美、都留重人、鶴岡千扨、鶴見和子、鶴見俊輔、手島治雄、寺内寿一、寺尾一郎、寺岡洪平、寺崎太郎、寺崎英成、東郷茂徳、東郷(本城)文彦、道正久、遠山光一、徳川宗敬、徳永太郎、徳永康元、都倉栄二、苫米地義三、富井周、友岡久雄、朝永振一郎、豊田隈雄、内藤雄、長井亜歴山、永井八津次、中川融、長島貞夫、中根正巳、中野五郎、中村正吾、中村豊一、中村春太郎、中村光夫、中谷宇吉郎、中山定義、楢橋渡、成田勝四郎、南原繁、新関欽哉、西春彦、西義章、仁科芳雄、西村熊雄、西山昭、根本博、野上豊一郎、野上素一、野上弥生子、野口芳雄、野田岩次郎、野村吉三郎、野村三郎、野村タチヤーナ、野打直邦、芳賀檀、萩原徹、橋田親太郎、橋爪四郎、橋爪三男、長谷川潔、長谷川才次、蜂谷輝雄、八田秋、服部五郎、服部比左治、浜口幸博、浜中匡輔、早川雪洲、林太平、原馨、原智恵子、原田健、番徹夫、坂西一良、東出誓一、日高信六郎、日向精蔵、肥沼信次、平出英夫、平岡養一、平沢和重、平田雅二、弘島昌、広瀬栄一、広瀬節男、福井文雄、福島慎太郎、藤井歳男、藤田真之助、藤田嗣治、藤塚止戈夫、藤原銀次郎、藤村義朗、藤出楢一、布施信良、古橋広之進、別府節弥、法眼晋作、星島二郎、細川隆元、堀内謙介、堀切善兵衛、前川春雄、前芝確三、前田憲作、前田多門、前田陽一、前田義徳、馬瀬金太郎、松井明、松尾邦之助、松尾敏彦、松尾実、松岡洋右、松嶋鹿夫、松田正綱、松田元市、松平一郎、松平康乗、松本薫、松本俊一、松本信一、三浦和一、三浦義秋、三雲昂、三雲夏生、三谷隆信、光延東洋、南大曹、南博、宮崎申郎、宮川舩夫、宮本三郎、村沢一雄、村田聖明、村田豊文、村山七郎、毛利(堂本)真美、茂木政、本野盛一、森有正、森恭三、森元治郎、守島伍郎、森島守人、守屋謙二、守山義雄、八木正男、柳井恒夫、矢部忠太、山形清、山岸重孝、山崎功、山路章、山下奉文、山田わか、山仲伝吾、山中俊夫、山本正雄、山脇亀夫、湯浅年子、湯浅八郎、結城司郎次、湯川秀樹、遊佐正憲、湯本武雄、油橋重遠、横山一郎、与謝野秀、吉岡弥生、古川猛夫、吉沢清次郎、吉田茂、芳仲和太郎、吉野文六、四本忠俊、笠信太郎、若山淳四郎、渡辺紳一郎、渡辺護、渡辺三樹男、和智恒蔵




よーく見てみるとこの蒼々たるメンツに圧倒されますが、戦前に海外に行くことができたのは、日本でも選りすぐりのエリートだけだったのがよく分かります。


例えば中間子理論を提唱した湯川秀樹は39年5月という切迫した国際情勢の時に京都大学帝国大学教授に就任し、ソルヴェイ会議出席の為に渡独しましたが、ドイツのポーランド侵攻により会議は中止、ベルリンからニューヨーク、サンフランシスコを経て鎌倉丸を乗船して帰国しています。その船には右翼少年に刺殺された社会党の浅沼稲次郎も乗っていました。同じく日本人ノーベル賞二番目の受賞者である物理学者、朝永振一朗もライプチヒ留学していましたが、アメリカの永久租借地だったパナマ運河を経由して帰国しています。


意外なのは日独防共協定を結んだ大島浩駐独大使が、独ソ不可侵条約の責任を問われて帰国を命じられた際、ローマ経由ナポリ、そしてイタリア汽船レックス号でニューヨークに向かった事です。その後、アメリカ大陸を横断し、龍田丸でサンフランシスコを出港し、横浜に入港します。


第二次世界大戦の原因を作った一人である大島浩が、ドイツから帰国する際、アメリカを横断していたのが皮肉ですね。その時、アメリカの街並みや繁栄ぶりを見て、なぜ親独外交を思いとどまらなかったのか、疑問に思えてきます。また寺内寿一大将もヒトラーと会見した後、同様のルートでアメリカ経由で日本に帰国しています。その後の顛末を考慮するとよくアメリカは、後で死闘を繰り広げる事となる日本軍人の通過を許しましたね。


またヨーロッパでは松岡洋右外相によるドイツ、イタリア、ソ連訪問、そして日ソ中立条約締結が、英米両国の反感を買い、日英関係は悪化しました。重光葵駐英大使は帰国挨拶のためにチャーチルを訪問しましたが、シベリア経由の帰国は無理だろうと伝えられます。その結果、重光はブリストル→リスボン→バミューダ→ニューヨーク→ワシントン→ロサンゼルス→サンフランシスコ→横浜というルートで帰国。親英米派外交官で、後日降伏文書を調印する事となる重光葵が帰国直前にチャーチルと会談していたり、アメリカを経て帰国しているのが、不思議に映ります。


また開戦時には在外公館としてアメリカ本土にはワシントンに大使館、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコに総領事館、ニューオーリンズ、シアトル、ポートランド、ロサンゼルスに領事館、本土以外にはホノルルとマニラに総領事館が置かれていました。


ワシントンの日本大使館員はヴァージニア州ホット・スプリングスのホームステッドホテルに収容されました。このホテルは現在も営業中で、ゴルフコース、テニスコート、プールなどを完備した超高級ホテルです。持ち主はルーズベルト大統領の友人で、その後もメキシコや北米各地の大使館、領事館員、官吏、新聞記者、三井物産などの商社員、横浜正金銀行員なども合流しました。


以下が在米州大陸日本人が第二次世界大戦中、抑留されていて超高級リゾートホテル、ホームステッドホテルのホームページです。トップページの外観からして豪奢なお城なのが分かりますね。真珠湾攻撃で不意打ちをした事になっている敵国日本人に対して、余裕を持ってこの様な好待遇で施している事が、その後の戦況を示唆している様に見えます。


The Homestead



ここまでが第一章のうち、気になったポイントです。正直、この本自体が著者の泉孝英さんが人生をかけて集めてきたメモ収集の集大成なので、省略できるところがないというのが事実。私がこうして転記しているものを読んでもらうより、本自体を買って、それをそのまま読んだ方が早いと自分でもお伝えしたくなる程の本です。次回は第二章を紹介したいと思います。



日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録
(2005/07)
泉 孝英

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tag : 第二次世界大戦 在外邦人

ハマザキカク最高レベル愛読書『日本・欧米間、戦時下の旅』その1。対日断交・宣戦布告した国リスト

私の読書人生で最も衝撃を受けた本の一冊、それは泉孝英著『日本・欧米間、戦時下の旅 第二次世界大戦下、日本人往来の記録』です。『世界飛び地大全』や『時刻表世界史』など国境にまつわる本を編集してきた私としては、この泉孝英さんのライフワークを先に知っていたら、どうしても自分が手掛けたかった、驚愕の企画です。



日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録
(2005/07)
泉 孝英

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この本は成毛眞さんの書評会、東京HONZの時にも推薦した本で、長い間書評したいと思っていました。ただしあまりにもこの本について語りたい内容が多すぎて、気軽に書けるものではなく、ずっと大きな課題として残っていました。ハッキリ言ってこの労作的名著、1エントリー記事で書き尽くせる訳がないので、複数回に分けて紹介していこうと思い直しました。



時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線
(2008/09)
曽我 誉旨生

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この本は第二次世界大戦の時、外国にいた日本人がどうやって日本から海外に行ったり、帰ってきたりしたのか、そのルートと手段を詳細に明らかにしています。著者の泉孝英さんは1936年生まれの京都大学名誉教授で、刊行時には京都中央診療所所長の様です。他の著書には『ガイドライン外来診療2011』『外来診療ハンディガイ』などがあり、正真正銘のお医者さんみたいです。もしかしたら実際に医学界では有名人なのかもしれません。



ガイドライン外来診療2011ガイドライン外来診療2011
(2011/03/17)
泉 孝英

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余談ですが『敗戦処理首脳列伝』の著者、麓直弘さんも京都大学の医学部に勤務されています。医者なのに歴史学者顔負けの歴史書を書いている、トンデモない人達が京都大学医学部にはいるみたいですね。私は医者にもなれないし、こんな歴史書も書けないですよ……。天は二物を与えすぎ!



敗戦処理首脳列伝―祖国滅亡の危機に立ち向かった真の英雄たち敗戦処理首脳列伝―祖国滅亡の危機に立ち向かった真の英雄たち
(2011/05)
麓 直浩

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なぜ戦時下の日本人の海外との往来を調べようと思ったかは、後書きに詳しく書いてあります。


六七年九月、ニューヨークへの留学の途上、ホノルル着陸の寸前には、真珠湾攻撃を重い浮かべた。十二月、ワシントンの街を訪れ、日本大使館前を通ったときには、開戦直前、日米断行の手交文の英文タイプ打ちに苦労する大使館員の姿を思い浮かべた。また、七二年八月、ストックホルムに留学した時には、日本大使館事務所に近い海岸通りを歩きながら、当時の駐在武官の終戦工作の苦労や、聞く耳を持とうとしない軍中枢への腹立たしさに苦悶した当時の関係者も、同じ景色を見ていたのかと感慨無量であった。大日本帝国政府のポツダム宣言受諾は、このスウェーデン政府を通じて英国、ソ連に伝達されたのである。七二年十一月、ベルンの街を訪れたときには、ポツダム宣言受諾の米国と中国への伝達は、この街のスイス政府を通じて行われたことに思いを馳せた。




分かります!この感情移入! 自分も歴史的現場に訪れると、「ここであれがあったのかー」と感慨にふけってしまうタイプです。


また幼少期にチュニジアに住んでいて、湾岸戦争が勃発した時、イラク寄りの姿勢を示したベンアリ・チュニジア政府の元で暮らす事を危惧したアメリカンスクールのアメリカ人達が、一斉に帰国した時の事を思い出します。日本人は国外脱出するまでには至りませんでしたが、チュニジア人、アラブ人の中には日本がアメリカ・多国籍軍サイドに付いている事を快く思っていない人も多く、在留邦人の間では緊張感が漲り、地方に駐在していた人達を、首都チュニスで匿ったりもしました。



世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))
(2006/08)
吉田 一郎

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私自身がこの様な体験を子供の時にした為、在外邦人、日系人、日系移民、帰国子女の話には目がないのです。しかも現代史・第二次世界大戦マニアでもある訳で、戦時中に外国にいた日本人の逃避行劇なんて、まさに自分の関心分野のど真ん中。


それでまずは話をより分かりやすくするために整理し直すと、第二次世界大戦で日本と戦争状態にあったのが以下の国々です。要するに以下の国は日本人にとって敵国で、また日本人はこれらの国にとっては敵国人なので、抑留されたり、逮捕される前に脱出しなければならないのです!


『日本・欧米間、戦時下の旅 第二次世界大戦下、日本人往来の記録』のP100~P101に掲載されてある


「連合国の対日断交・宣戦布告(1941年十二月~四五年八月)」


自分で調べたところ幾つかの国の宣戦布告日などに史料によって相違があるみたいですが、大筋は合っているでしょう。

 

41

128

宣戦 米国、英国、コスタリカ、ドミニカ、ホンジュラス、グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ハイチ 

 

 

断交 メキシコ(参戦42522日)、コロンビア

 

129

宣戦 パナマ

 

1210

宣戦 オランダ、キューバ

 

1216

断交 イラク(宣戦 43117日)

 

1218

断交 ベルギー(宣戦 411220日)

 

1222

断交 ギリシャ(宣戦 45620日)

42

128

断交 ボリビア(宣戦 43128日)、ブラジル

 

330

断交 ノルウェー(宣戦 45711日)

 

413

断交 イラン(宣戦 45228日)

44

126

断交 アルゼンチン(宣戦 45327日)

 

127

宣戦 リベリア

 

922

断交 フィンランド

 

1031

断交 ルーマニア

 

115

断交 ブルガリア

45

16

断交 トルコ(宣戦 45223日)

 

226

宣戦 シリア

 

227

宣戦 レバノン

 

31

宣戦 サウジアラビア

 

412

断交 スペイン

 

523

断交 デンマーク

 

89

宣戦 ソ連




さて、これらの国からどうやって脱出するか? 言っておきますが、この頃は飛行機の国際直行便はほとんど飛んでいません。陸伝い、もしくは船で逃げるしかありません。



大使館国際関係史―在外公館の分布で読み解く世界情勢大使館国際関係史―在外公館の分布で読み解く世界情勢
(2009/04)
木下 郁夫

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あと第二次世界大戦というと日独伊VS米英と思いがちで(ソ連は日ソ中立条約があったので最後の最後)、他の連合国を見落としがちですが、例えばイラクやキューバ、ブラジル、ノルウェー、イラン、リベリア、トルコ、サウジアラビアなどと言った今では割と日本と友好的な国が当時、戦争状態にあった事が不思議ですね。何でこうした国々が日本に対して宣戦布告したのか、その国がその当時に置かれた状況、陣営を推測するのもまた外交マニアにとっての楽しみの一つ。


ちなみに第二次大戦トリビアですが、日本による宣戦布告はアメリカ、イギリス二カ国のみに対して行われたもので、他の宣戦布告・断交は全て相手国より行われたのでした! って本に書いてあります(笑)。私が突き止めた訳ではありませんが、よく考えたらそうかもしれないとあらためて目から鱗。


逆に日本と同盟・友好関係にあった国は以下の以前のこのブログのエントリー、


大戦末期1944年に東京に大使館を置いていた独、伊、フランス、デンマーク、ハンガリー、ルーマニア、フィンランド、ブルガリアの謎に迫る!



で紹介しています。この次の書評ではどういった日本人達が第二次大戦時、国外に居たのか、この本から紹介しようと思っています。とにかくこの本は超オススメ! 私が担当編集者だったら、つまらなかったら返金に応じるよと言いたいぐらい、現代史ファン、第二次世界大戦オタクにとって大興奮の本です。



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tag : 泉孝英 淡交社 在外邦人 第二次世界大戦

東京HONZでゲスト参加した時に紹介した『稀で特異な精神症候群ないし状態像』


稀で特異な精神症候群ないし状態像稀で特異な精神症候群ないし状態像
(2004/04)
編者:中安信夫
著者:大宮司信、柏瀬宏隆、加藤誠、山科満、三田のりこ、濱田秀伯、中谷陽二、澤たか子、大饗広之、阿比留烈、古橋忠晃、林拓二、深津尚史、橋元良、須賀英道、中谷陽二、村井俊哉、田中究、宮岡等,田野尻俊郎、立花光雄、榊原純、広沢正孝、兼本浩祐、高橋祥友、高木俊介、江口重幸、鈴木幹夫、三宅芳子、兼本浩祐、細川清、中安信夫、針間博彦、山口直彦、佐々木由佳
出版社:星和書店

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先週の6月1日に成毛眞さんが主宰する書評勉強会、『東京HONZ』にゲストとして招かれたのですが、その時に推薦した本の一冊が『稀で特異な精神症候群ないし状態像』です。もう一冊は『日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録』です。


成毛眞さんと東えりかさん主催の書評サークル「東京HONZ」にゲスト参加




日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録
(2005/07)
泉 孝英

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それで何といきなり私が紹介した『稀で特異な精神症候群ないし状態像』が、


あ・の・成毛眞ブログで書評されました! 


成毛眞ブログ 『稀で特異な精神症候群ないし状態像』


この本が成毛眞ブログで書評されたその日にAmazonでは在庫切れ、各種オンライン書店も軒並み在庫切れになりました。私が見たAmazonランキング瞬間風速は一万位ぐらいでしたが、その時点で在庫切れだったのでもっと上に行っていたのかもしれません。


信頼性の高い書評家・キュレーターに取り上げられると、専門家向けの学術論文集でも、瞬時にバカ売れしてしまう事がよく分かりました。また逆に出版社の地道な営業努力が一瞬にして空しく思えるほどの影響力を痛感しました。


実はこの本は今年の初めにブックファースト新宿店開店二周年記念の『名著百選』という、マスコミ・出版業界人がそれぞれの愛読書を推薦するイベントでも選書したのですが、特にその時は反応は無かったです(実はこの時、十五人ぐらい私が声をかけた人です。こういうイベントに人一倍ハッスルしてしまう)


「有名人、出版業界人の愛読書が一度に触れる!読める!買える!」 ブックファースト新宿店『名著百選』リスト!


この本は随分前から知っていて、『ダメ人間の世界史』という本を刊行した時にも読み直しました。「バカと天才は紙一重とよく言われます。過去の偉人達は実は精神的におかしかったのではないかという視点から、偉人達を分析する病跡学(Pathographie)という学問があります。



ダメ人間の日本史―引きこもり・ニート・オタク・マニア・ロリコン・シスコン・ストーカー・フェチ・ヘタレ・電波 (ダメ人間の歴史)ダメ人間の日本史―引きこもり・ニート・オタク・マニア・ロリコン・シスコン・ストーカー・フェチ・ヘタレ・電波 (ダメ人間の歴史)
(2010/03)
山田 昌弘、麓 直浩 他

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私自身、過去の天才達に感情移入したり、自分を重ね合わせたがる悪い傾向があり、その流れで偉人と言われている中でも少し常識が欠けていて、革新的なアイデアを出したり、奇妙な事を思い付いたりした偉人の伝記物が好きです。こうした背景があり、この本も随分昔に読んでいて、また『ダメ人間の世界史』と『ダメ人間の日本史』を出版したのもそうした流れがあったからです。



ダメ人間の世界史―引きこもり・ニート・オタク・マニア・ロリコン・シスコン・ストーカー・フェチ・ヘタレ・電波 (ダメ人間の歴史)ダメ人間の世界史―引きこもり・ニート・オタク・マニア・ロリコン・シスコン・ストーカー・フェチ・ヘタレ・電波 (ダメ人間の歴史)
(2010/03)
山田 昌弘、麓 直浩 他

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それでこの『稀で特異な精神症候群ないし状態像』の内容なのですが、成毛さんも書いている通り、純然たる医学書で一般人が気安く読んで楽しめる類の物ではありません。この本で扱われているのは、精神医学の中でもジャンル別けが不可能な、極めてレアケースの異常な精神状態です。


鬱病や統合失調症、ADHD等の本は無限に出版されており、この分野でオリジナリティのある企画を出す事はもはや無理の様に思えますが、世の中にはまだまだ沢山、謎の精神障害が存在しているみたいで、この本と出くわした時は、本当に驚愕しました。


以下が本に載っている症例の中でも自分でも気になったものを、東京HONZの会議の時に準備したメモ書きです。ここに記載されているもの以外でも、もう既にテレビなどでおなじみの「代理ミュンヒハウゼン症候群(慢性虚偽性障害)や空想虚言、多重人格、全生活史健忘(記憶喪失)など、割と世間的に知られている症例も載っています。



●感応状態

複数人、主に家族内で一人の精神異常が複数の人に転移する状態。「鬱病は移る」というシャレがあるが、より重度の精神障害が家族や親しい仲で伝搬するらしい。


●Cotard症候群

全ての質問に対して反対や否定で答える「反対症」。例:名前を聞かれても「ありません」、食べているにも関わらず「食べていません」等。自分は死ぬことも不可能と悲観するらしい。


●Imaginary Companion

縫いぐるみやオモチャに人格があると思い込み、それと友達になっている状態。知り合いでこういう人が一人いる。


●皮膚寄生虫妄想

現実にはムシがいないにも関わらず、皮膚をムシが這い回り、刺したり、噛んだりすると訴える症状。ムズムズ症候群のより度が激しいものか?


●ガンゼル症候群

質問に対して全く的外れな答えたり意味不明な言葉を連呼する病気。症例に出てくる変な言葉。「クロ、19」「オジチャーン」、馬の脚を五本と答える、Londonを"Dollon"の様にアナグラム、「一休さんが…無線機が…」、「分かっていたんだ。お前だな、プロレスラーは」「ニトロは爆弾だな」「柴又」「ダイモン軍団」。読んでて思ったのが、少し『一発朗』(社会評論社刊)と似ている事。口にはしないだけで、家で思い付いた意味を成さないフレーズを言うのは、どの家族でもあるらしい。



一発朗―20文字以内のダジャレ・おやじギャグ・死語・流行語・時事ネタ・ブラックユーモア・パロディ・誤変換・誤植・誤読・誤聴・あて字・韻文・回文・アナグラム・リエゾン・撞着語・なぎなた読み・スプーナリズム・ベタ語・対義結合・一発ギャグ集一発朗―20文字以内のダジャレ・おやじギャグ・死語・流行語・時事ネタ・ブラックユーモア・パロディ・誤変換・誤植・誤読・誤聴・あて字・韻文・回文・アナグラム・リエゾン・撞着語・なぎなた読み・スプーナリズム・ベタ語・対義結合・一発ギャグ集
(2010/08)
藤代 尚文

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●重複記憶錯誤

場所や人を二つ存在すると思い込んでいる。例えば同じ家や主人が二つ存在していると思ってる。


●口腔内セネストパチー

口の中に異物や金属が生えてくると訴える症状。


●ソジー症候群

「瓜二つの他人の出現」つまり目の前にいる人がある人の替え玉だと信じている妄想。


●Charles Bonnet症候群

視力を無くした人が複雑で豊かな内容を持った幻視を見る事。


●不思議の国のアリス症候群

体が小さくなったり、道が歪んだり、不思議の国のアリスと同じ体験をする精神異常。この症候群は本の中でもトップレベルで奇妙。


●知覚変容発作

「物体の輪郭がはっきり見える」、「壁や天井のシミがはっきり見えてくる」「机の木目が際立って見え、どうしても目が向いてしまう」「人のクマやアバタがくっきり見える」「砂場の砂の一粒一粒がはっきり見えてくる」「天井の模様が宇宙の星雲のように見えて迫ってくる」等。また「音がビンビン響く」といった聴覚や「時計の秒針が早くなる」といったリズム感覚、「毛穴から血が噴き出す」といった身体感覚異常も。


ドリトル症候群

動物が自分に話しかけてきていると思う病気。あのドリトル先生から来ている。




そしてこの本の中で一番驚いたのが「空想虚言」に描かれている「症例A 鑑定時50歳、男性」のエピソードです。「空想虚言」自体はメジャーな症例ですが、この本で紹介されている症例はもはや私小説や純文学の域に達していると思えます。


成毛さんもこの本から「純文学の匂い」がすると書かれていますが、特にこの「空想虚言」エピソードで登場する人物の犯行は『金閣寺』や帝銀事件を想起させるます。ちょっとこの事件、あまりにも凄すぎるのでここに転記するのは止めます。詳しい事はこの本を買って読んで頂ければ幸いです。









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tag : 稀で特異な精神症候群ないし状態像 ハマザキカク 星和書店

アラブ移民主体のフランスのヒップホップを紹介した『フランス暴動 移民法とラップ・フランセ』

チュニジア系フランスのヒップホップAl K-Pote。無機質なバックトラックにカクカクした滑舌のリズム感が独特。



一部のラップ・ヒップホップファンからクォリティの高さでは、アメリカを凌駕しているのではないかとまで評されるフランスのラップ、"Rap Francais"を初めて単行本で紹介したのが陣野俊史フランス暴動 移民法とラップ・フランセ』です。


フランス暴動----移民法とラップ・フランセフランス暴動----移民法とラップ・フランセ
(2006/02/21)
陣野俊史
装丁:前田晃伸
河出書房新社
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この本は2005年にフランス全土でアラブ移民による暴動が吹き荒れた直後に出版されたものです。この時、暴動の主体となったのはパリやマルセイユなど大都市の郊外のスラムに住むモロッコ、アルジェリア、チュニジアなど北アフリカ出身移民の若年層でした。


出だしからしてナイトラーダー調でスリリングなDisiz。




彼らがなぜこの暴動を引き起こすに至ったか、その背景を詳しく解説しています。彼らの多くが、郊外のスラムのシテ(Cite)という廃墟の様な団地で生まれ育ち、まともな教育も受けられず、職にも就けず、やる事と言ったら、ジダンの様にサッカー選手を目指すか、悲惨な境遇をラップで表現するぐらいです。ラップと言ってもヤワなパーティー野郎の様なものではなく、ハードコア・ギャングスタ系で、そのリリックは下品で攻撃的。大統領になる前のサルコジ内相を扱き下ろしたり、放送禁止になったりします。


Alibi Montanaという若干とっちゃん坊やふうのラッパーも、挑戦的なラップで大迫力!




2005年パリ郊外暴動事件

実はこの本が刊行される少し前に社会評論社に入社したのですが、一番最初に担当した本が『自由に生きる フランスを揺がすムスリムの女たち』です。この本の著者はルーブナ・メリアンというアルジェリア系フランス人で、イスラム教徒に対する差別に抗議する活動を率います。


自由に生きる―フランスを揺がすムスリムの女たち自由に生きる―フランスを揺がすムスリムの女たち
(2005/02)
ルーブナ メリアンヌ

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入社直後で右も左も分からないので、既に出来上がっている堀田一陽さんの翻訳原稿を、ただ言われたまま使い走りの様に動いただけでしたが、それが朝日新聞の書評に載り、幸先の良いスタートを切ったと喜ばれました。その時は朝日の書評に載るという事が、編集者としてどういう意味かも理解していませんでしたが……。

『自由に生きる』朝日新聞書評


モロッコ出身のちょっとロバっぽい感じのKamelancien。一見、ホモくさくってまったく格好良いとは思えないのですが、個性的な声帯とねちっこいメロディが耳にこびりつく。




それからしばらくしてから『売女でもなく、忍従の女でもなく―混血のフランス共和国を求めて』という本も出します。この頃はフランスはCPE(初期雇用契約)デモで、若者達の反乱が吹き荒れていました。確かこの本の著者は年も私とほとんど同じで、なおかつ私自身がチュニジア育ちという事もあり、随分、親近感が沸いたものでした。



売女でもなく、忍従の女でもなく―混血のフランス共和国を求めて売女でもなく、忍従の女でもなく―混血のフランス共和国を求めて
(2006/05)
ファドゥラ アマラ

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それでなんか因縁めいたものを感じるのですが、これらの本とは関係なしに、ここ数年間、フランスのヒップホップ、ラップ・フランセに入れ込んでいます。一番最初にハマったラッパーはセネガル出身のSefyu。特に以下のMusculationという曲が格好良く、ベースドラムが爆音でスピーカーを振動させまくり、デス声に近いようなダミ声に、西アフリカに由来するのか、よく分からない意味不明な荘厳的な旋律が、超ヤバイ! これはヒップホップというより、民族音楽とかHorror Coreに聴こえる!





もともとブルータルデスメタルしか聴いてなかったのに、何でこんなジャンルに転向してしまったのか、自分でもよく分かりませんが、もしかした幼少期をチュニジアで育ったので、身体にアラビア音階やライ(マグレブのポップス)のリズム感や旋律が染みこんでいるからのかもしれません。



やっぱりAl K-Poteが一番、メタリックでダークで陰鬱で、フランス語とは思えないハードな質感でカッコイイ! チュニジア系というのも嬉しい!




ただしヒップホップはデスメタルなどと比べて、アンダーグラウンドシーンの層が薄く、いきなりメジャー流通になってしまう様で、アーティスト数が圧倒的に少なく、すぐにほとんど全て聴き尽くしてしまいました。最近はあまり良い新人も出てこなくなり、ドイツやポーランドの方がレベルも数も盛り上がってきている気がします。少なくとも世界でアメリカの次に熱いヒップホップシーンは、フランスからドイツに移行したと言っていいと思います。

他にフランスでオススメのラッパーはRohff、Booba、Kery James、La Fouine、Salif、Sinik、Mac Tyer、Nessbeal、Youssoupha、Seth Gueko、Alpha 5.20、Medineなど。

最近、大活躍のZeler Lim。一部でフランスのEminemと言われているか?と思うぐらい似てる。




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tag : 陣野俊史 フランス暴動 自由に生きる 売女でもなく、忍従の女でもなく Sefyu Al K-Pote Alibi Montana Zeler

親日デスメタル・ヒップホップ大国ポーランドと日本の関係を扱った『日本・ポーランド関係史』


日本・ポーランド関係史日本・ポーランド関係史
(2009/05)
エヴァ・パワシュ=ルトコフスカアンジェイ・タデウシュ ロメル
訳者:柴理子
彩流社

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最近読んだ本の中で、国際関係ファンとしては結構興奮したのが彩流社から出ている『日本・ポーランド関係史』です。日本とポーランド、一見それほど関係がないのではないかと思われそうですが、実はかなり複雑な結び付きがあります。

長らくロシアの支配を受けていたポーランドは、日露戦争でロシアを負かした日本に対して憧れと尊敬の念を抱きます。ポーランド共和国建国の父、ユゼフ・ピウスツキ大統領は日露戦争の戦功を挙げた日本軍人に軍事功労賞を与えたりもします。ただ授与時は戦争から二十年も経っており、受勲者はロシア支配下のポーランドについて特にそれほど意識していなかったはずですが……。また蛇足ですがピウスツキの兄、ブロニスワフ・ピウスツキはアイヌ研究者でアイヌ人と結婚しており、その子孫は今でも日本に住んでいるらしいです。

独立後もポーランドにとってソ連は脅威であり、東でソ連と対峙する日本に防衛上の期待を抱きます。一方、日本はというと新興国ポーランドについては、正直よく分からないし、関心も薄いといったところ。

しかしロシア革命後、世界中から全く相手にされなかったどころか、シベリア干渉戦争などで潰されかけまくったソ連がようやく国際連盟に加入します。更には対ドイツ封じ込めの為、仏ソ総合援助条約まで締結されるに及んで、西欧はアテにならないと危機感を抱いたポーランドは、ますます日本を頼る事になります。結果、満州事変や日華事変でも日本寄りの姿勢を示します。

しかし皮肉な事に日本は日本で、ソ連に対抗するために、ヨーロッパで勢いを増すドイツと日独防共協定を結んでしまいます。そしてイタリアも日独防共協定に加入するに及んで、今度は日本からもポーランドもこの防共協定に加入するよう、圧力がかかります。ソ連同様、潜在敵国ドイツと同じ陣営に加わる訳にもいかないポーランドは結局、加入せずむしろ、日独の蜜月に弾かれてしまい、中途半端な存在に……。

しかしその後、日独防共協定を無視して、一方的に独ソ不可侵条約を結び、ポーランド侵攻を開始したドイツに対して、日本は深刻に不信感を強めます。そして敗北したポーランドの在ロンドン亡命政府の諜報機関の連絡将校をドイツ、バルト諸国、スカンディナビア諸国公館で匿い、ドイツの軍事情報の収集の為に密かに活用します。

特に有名なのがストックホルム駐在武官小野寺信少将の話です。ミハール・リビコフスキーというロンドン亡命政府に属する情報将校に満州国、そして日本のパスポートを与え、在ストックホルム大使館で匿い、バルバロッサ作戦、またドイツ軍の敗退の予想など幾つもの貴重な情報・アドバイスを受けます。

小野寺の妻である小野寺百合子は、そのリビコフスキーらポーランドスパイから得た情報を元に、日本外務省に対し警告電報を送りまくります。結局、それを聞き入られる事はありませんが……。

その話は小野寺百合子『バルト海のほとりにて』という名著で詳細に記されています。こちらの本は数年前に読んだのですが、かなり面白いので超オススメです。またもう一人の重要人物、杉原千畝のスパイとしての側面は最近出た『諜報の天才 杉原千畝』でいつか書評してみたいです。


バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争
(2005/07)
小野寺 百合子

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諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)
(2011/02)
白石 仁章

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あと今図書館で借りてて読もうと思っている、より一層重厚で難解そうな『世界のなかの日本・ポーランド関係 1931‐1945』という本もあります。


世界のなかの日本・ポーランド関係 1931‐1945世界のなかの日本・ポーランド関係 1931‐1945
(2004/11)
阪東 宏

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という訳で日本とポーランド、常にアンバランスで一方的な片想いをされたり、交戦国となりながらも裏で繋がっていたりと、色々と密かに深い関係があったのでした。

で何でいきなりこんな唐突にポーランドの話をしているかというと、この一年ぐらいポーランドのヒップホップにハマってるからです。ポーランドと言えばVaderやBehemoth, Dead Infection, Decapitated, Squash Bowels, Graveland, Sirrahなどデスメタル、ブラックメタル、グラインド大国として知られていることは言うまでもありませんが、どうやら近隣の東欧諸国に比べてもハイレベルなGangsta Hiphopを輩出しているみたいです。

一番最初にハマった切っ掛けはDon Guralesko。あんまりGangという感じではないが、キムジョンナム似のラッパーのダミ・ハスキー声質と中近東風バックトラックが良い! 最新アルバム"Totem Leśnych"はより格好良くなってる!





音が悪いんですけどNon koneksjaとLukasyno。一番ダークで怖い感じ。こちらはHorror Core入ってて、かなり中毒。



あとオススメはTomiko(日本語から来てるのかな?)、Bez Century, DJ600V, Firma, Peja辺りか……。日本でポーランドのヒップホップに詳しい人いたら、連絡下さい。
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tag : 日本・ポーランド関係史 エヴァ・パワシュ=ルトコフスカ アンジェイ・タデウシュ ロメル 柴理子 Don Guralesko Non Koneksja

プロフィール

ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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