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第二次世界大戦中の日本とフランスの協力関係を暴露した『第二次世界大戦とフランス領インドシナ』

昨日、「成毛眞さんのブログで言及された超マニア向け『アルバニアインターナショナル』の読み方のコツ」を投稿し、成毛さんにTwitterでお伝えしたところ、「成毛眞ブログでかなり好意的に取り上げられました! おかげでアクセスが殺到し、一瞬は見られない状態で、成毛さんの影響力の凄さを再認識しました。ここまでの反応を頂けるとは正直思っていなかったので興奮してしまい、親友達にメールしたりして昨日はなかなか落ち着かなかったです(笑)。

元々準備していた書評なのですが、今日ご紹介するのは私個人の中で第二次世界大戦関連の書物でトップクラスの愛読書、『第二次世界大戦とフランス領インドシナ―「日仏協力」の研究』です。


第二次世界大戦とフランス領インドシナ―「日仏協力」の研究第二次世界大戦とフランス領インドシナ―「日仏協力」の研究
(2000/05)
著者:立川京一
発行者:竹内淳夫
発行所:彩流社

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第二次世界大戦の中でもとりわけヴィシー政府に興奮してしまう「ヴィシーマニア」が少なからず存在するみたいです。そんなヴィシーマニアにとってこの本はマジでヤバイ!

ヴィシーの何にそそられるかというと、あの優雅で、華やかで、壮麗で、重厚な「おフランス」が、ナチスドイツというほとんど愚連隊の成り上がりの様な奴らに完膚無きまでやられ、国家を分断され、挙げ句の果てに第一次大戦の対独英雄、ペタン元帥を引きずり出されて、ニセ国家まで作らされるという、現代史上、稀に見る屈辱、陵辱、不名誉な状況だったからです。

ちょっと下品な表現になってしまいますが、「あんな美女があんなあられもない姿になってしまって……」という、少し変態的なスケベ心、サドマドヒズムに近い性的な感覚がもの凄く刺激されるのが、第二次世界大戦マニアにとってのヴィシー政府かもしれない。実は潜在的には、私と同じような好色的・変質的・変態的な感覚でヴィシーに発情してしまう、ヴィシー萌えが結構いるのではないかと思います。

そしてあまり世界史を分かっていない人にとって重要なポイントが、フランス本国がナチスの傀儡になっただけでなく、アジアではフランスが日本の軍門に下っていたという事実です。「日本のアニメが流行っている」とかで一喜一憂したり、なんだかんだいって日本人はフランスに対して、コンプレックス丸出しですが、第二次大戦時、フランス本国がドイツに敗北した後、フランス領インドシナ(今のベトナム、ラオス、カンボジア)はほぼ日本の勢力下に押さえ込まれます。ちょっと不謹慎ですが、あの誇り高いフランス人が日本にも屈服させられていたのが痛快……と言ったら誤解を招きますが、何だかこそばゆい感じはします……。

この本でも書いてあるポイントは、当時のフランス人個人個人が大日本帝国に対してどう思っていたかは分かりませんが、ある程度フランス側でも自発的・積極的に日本側に協力していたという事実です。対独協力だけでなく、対日協力もあったという事です。

今からすると信じられませんが、かなり多くのフランス人がドイツに敗北した後、イギリスがドイツに負けるのも時間の問題と思っており、世界の覇者、ドイツ第三帝国の中でいかに大二の大国としてのフランスのポジションを確保するかに関心が移っていたのです。またこの前書いたアルジェリアにおけるイギリスVSフランスのメルセルケビール海戦の反英感情も引きずっており、こうなったら枢軸側に立った方が得策だと思ったフランス人が多かったのです。

それでアジアでは枢軸国日本が南進を進め、フランス領インドシナに進駐するのにもあまり大した抵抗を示さず、松岡・アンリ協定まで結び、日本とフランスの間で仏印共同防衛体制が形成されていきます。フランス側が日本軍に基地・宿営地・兵舎まで提供し、挙げ句には駐屯費まで払わせられます。また仏印進駐の前後におきたタイ・フランス領インドシナ紛争では、なんと日本がタイとフランスの仲介をし、京都議定書ならぬ、「東京条約」を斡旋します。今思うとこの東京条約、世界史上の条約の中でも、かなりキワモノ・トンデモっぽい!

結局、日本の敗色が濃厚となった対戦末期、仏印政府の自由フランス寄りな態度が徐々に現れてきた為、明号作戦で日本対フランスの戦闘が起きます。日本側が制圧し、かなり多くのフランス人将兵を処刑します。これもちょっと今考えると信じられない。神楽坂とかでビストロを営んでいそうなフランス白人を、70年ぐらい前に日本人がベトナムで処刑していたなんて!

……とこういった現在の感覚からすると、違和感だらけの第二次世界大戦中の日仏関係。それを徹底的に解説したのが『第二次世界大戦とフランス領インドシナ』。こうしたスケベ心の視点で読んでみると、重厚で難解そうな学術書も、エロ本気分、興味本位で大変楽しめます。皆さんもいかにも難しそうな歴史書は、こうしたちょっと別の角度、視点、気持ちで気軽に手に取ってみてはいかがでしょうか。

私の環境ではこの本はGoogleでフレーズ検索しても97件しか現れず(なんかブラウザの設定が間違ってたりして……)、彩流社の営業部長の春日さんに聞いたところ、もう品切れらしいのですが、私はこの本は非常に貴重な第二次世界大戦秘話系の名著だと思います。是非、重版ないしは増補改訂版を!



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テーマ : オススメの本
ジャンル : 本・雑誌

tag : 第二次世界大戦とフランス領インドシナ 立川京一 ヴィシー 彩流社

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ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

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