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なんと! ソ連赤軍指揮下の自由フランス軍部隊まで扱った『亡命空路』


亡命空路―国を捨てた者たちの飛行記録亡命空路―国を捨てた者たちの飛行記録
(1996/10)
著者:西村直紀
編集:タスクフォース1
発行人:今井今朝春
発行所:グリーンアロー出版
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マニアックな企画でグリーンアロー出版社の右に出る出版社はいないかもしれません(社会評論社は左寄りです)。グリーンアローは今はBbmfマガジンとなり、現在では携帯サイトなどをやっているのですが、以前はニッチでマニアでクールな本を大量に出していました。

超合金・ポピニカ大図鑑 (グリーンアロー・グラフィティ)超合金・ポピニカ大図鑑 (グリーンアロー・グラフィティ)
(1997/06)
五十嵐 浩司

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『いんちきおもちゃ大図鑑』では『超合金・ポピニカ大図鑑』を参考にしました。いんちき番長によるとこの本は、この手のテーマでかなり神話的存在らしいです。

私は世界一の時刻表コレクター、曽我誉旨生さんによる『時刻表世界史』という本を編集したのですが、陸海空のうち、特に航空路線図に強く惹かれます。飛行機マニアという訳ではなくて、航空路線図が世界地図の様に、その時代の国際情勢、外交関係を如実に表しているからです。


時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線
(2008/09)
曽我 誉旨生

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それでこの類書といえば類書の『亡命空路』は、国際関係マニアにとってはかなり興奮する一冊です。国際航空定期便を就航していたということは、お互い国交があり、承認していたという事ですが、亡命となると多くの場合、敵国に逃げ込むという事で、言ってみれば真逆の国境侵犯という事態。国境とか飛び地とか鎖国、分断国家みたいな話に目がない私にはたまりません。

世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))
(2006/08)
吉田 一郎

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アルバニアインターナショナル―鎖国・無神論・ネズミ講だけじゃなかった国を知るための45カ国 (共産趣味インターナショナル VOL 1)アルバニアインターナショナル―鎖国・無神論・ネズミ講だけじゃなかった国を知るための45カ国 (共産趣味インターナショナル VOL 1)
(2009/08)
井浦 伊知郎

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ニセドイツ〈1〉 ≒東ドイツ製工業品 (共産趣味インターナショナル VOL 2)ニセドイツ〈1〉 ≒東ドイツ製工業品 (共産趣味インターナショナル VOL 2)
(2009/10)
伸井 太一

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ニセドイツ〈2〉≒東ドイツ製生活用品 (共産趣味インターナショナル VOL 3)ニセドイツ〈2〉≒東ドイツ製生活用品 (共産趣味インターナショナル VOL 3)
(2009/10)
伸井 太一

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この本では古今東西の亡命者がいかにして飛行機で亡命したかを解説しています。全部面白いのですが、特に驚きなのが「ノルマンディー・ニーメン部隊」というソ連空軍傘下の自由フランス軍。

第二次世界大戦時のフランスというとドゴール派の自由フランス軍と、ペタン傀儡のヴィシー政府に分かれます。フランス軍がドイツに敗北した後、イギリス軍がアルジェリアのオランに停泊するフランス軍艦隊がドイツに引き渡されるのを阻止する為に、イギリス軍対フランス軍という、ちょっと今考えると信じられないような、メルセルケビール海戦というのが発生します。第二次世界大戦初期にイギリスとフランスが戦禍を交えたのが不思議ですよね。

それでそんな事もあってか、フランス人の間で反英親枢軸・コラボみたいな人も増え、フランス人武装親衛隊、フランスSS突撃旅団みたいな、今考えると全く奇異な部隊まで現れる始末。おまけにベルリン攻防戦で最後までベルリンを守るのがフランス人だったりしたりもするのは、結構有名な話。

それで、その真逆があったって皆さん、知っていますでしょうか?

その一方で、ドゴール将軍率いる自由フランス政府は、ナチス・ドイツを東部戦線側からも追い詰めるため、ソ連軍指揮下で作戦するフランス人パイロットと地上要員からなる航空部隊を送ると提案し、フランス人パイロットで構成されるノルマンディー・ニーメン部隊が編成された


フランス系赤軍がいたなんてかなり驚き。しかも多くのパイロットがソ連邦英雄の称号、金星章を授与されています。もしかしたら対ソ戦ポメラニア戦線などで投入された、シャルルマーニュ師団などと同フランス民族同士、ナチフランス、共産フランス同士、撃ち合っていたかもしれません。この話って『スターリンの外人部隊』に載ってたっけなー? ちょっとぱっとは思い出せない。


スターリンの外人部隊―独ソの狭間で翻弄された「赤い外国軍」の実像 (WW SELECTION)スターリンの外人部隊―独ソの狭間で翻弄された「赤い外国軍」の実像 (WW SELECTION)
(2002/03)
ペーター ゴシュトニー

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戦時中のフランス軍というとフランス外人部隊(これはもともとドイツ人が多いのですが……その点もアイロニカル)、せいぜいヴィシー、対独協力、パルチザン、シャルルマーニュ師団、フランス人反共義勇兵部隊(LVF)ぐらいしか思い浮かびませんが、赤軍下の自由フランス空軍は全く盲点! ギャップのギャップのそのまたギャップでかなり興奮しますね。

あと話が脱線しますが、ハンス・マルセイユという名前からも分かる、フォーンテーヌブローの勅令でベルリンに亡命した、フランス系ユグノーの末裔のドイツ人パイロットがいます。フランス領だった北アフリカ戦線で活躍し、ドイツ人女性からアイドルの様な存在だったみたいです。これもまた歴史の断層が四重に話が入り組んでいて、国際関係ギャップフェチにはかなりウケる! 戦時中のフランスは本当に複雑ですね。

他にも第二次大戦時にロンドンに亡命政府があったチェコとかポーランド、ノルウェーの空軍の話など定番の亡命軍の話や、中華人民共和国から台湾へのハイジャックなど、ありとあらゆる亡命空路が載ってます。

パーレビ国王がイラン・イスラム革命でイランから逃げ出した後、エジプト、モロッコ、バハマ、メキシコ、アメリカ、パナマ、そしてエジプトと、どの国にも長く滞在させて貰なくて、各地を転々と亡命生活を送った、その変遷のルートなどが載っていて、現代史ファンにとっては必読書でしょう。
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tag : 亡命空路 グリーンアロー出版社 超合金・ポピニカ大図鑑 西村直紀 ノルマンディー・ニーメン部隊 フランス人武装親衛隊 シャルルマーニュ師団 スターリンの外人部隊

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ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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