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東京都文京区「本豪」に集結した熱い出版人達の話:『日本の小出版』


日本の小出版―元気凛凛日本の小出版―元気凛凛
(1993/05)
渡辺美知子
拓殖書房
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あまり出版業界の事を知らない旧友や知人から、「何万部刷ったの?」「電子書籍やらないの?」と聞かれたり、「今度は何の本を書いてるの?」と作家と間違われる事まであります。多分、講談社とか小学館、幻冬舎、宝島の様なコミックや雑誌の広告が主な収益源の雑誌社、総合出版社、新聞社、もしかしたら『プラダを着た悪魔』とかアナ・ウィンターのイメージみたいになってしまっているんだろうなと思います。違うんだってば!

大手とは違って社会評論社はあくまでも小出版。別の業界とも思えるぐらい仕事内容・成り立ち・一人一人の役割が違います。大手が羨ましいと思う事もあれば、社会評論社の様な「小手」で良かったと思う事もあり、一概には言えません。

ただ本造りに関しては、著者と二人三脚で最初から最後まで携わりたいので、自分が編集者でいる限り、作品造りの高揚感・創作意欲を失いたくないですね。

1993年に拓殖書房から出された『日本の小出版』は日本の出版社の大半を占める、大手・中堅以外の小出版社の経営者のインタビュー集です。社会評論社の様な小さな出版社の内情や雰囲気を知るにはとても参考になります。

実はこの本に載っている出版社の多くが身内で、面識のある方もおり、若い時の顔なども見られて、個人的には大変興奮しました。何より小出版ならではの心意気、意気込み、ポリシーに大きく共感し、刊行から17年経っているにも関わらず、社長達の出版に対する熱い言葉に自分は奮い立たされました。

しかも多くの出版社が社会評論社の近所の本郷に所在しています。この一帯は「本郷」ならぬ「本豪」ではないかと思います。強者揃いです。以下が特に共感した文章で、拓殖書房西村祐紘さんの言葉です。自分の気持ちを17年前に代弁してくれています。

●小出版社としての強みは?

ある人に言わせると、出版社には「出版業」と「出版産業」がある。いま増えている「新型出版産業」は、がっちりシステム化されていて、それがうまく作動すればハイ一万部という考え方です。われわれみたいな「出版業」は、そこにいるヤツがどれだけツッパルかですよ。それ以外になにもない。出版業が成立するためには、いいかげんさというか、野性味が必要なんじゃないかなあ。システム化されればされるほど、創造力は枯渇すると思いますよ。

著者との関係にしても、どちらがイニシアチブを握れるかというせめぎあいです。「三五〇枚原稿があるんだけど」「ハイ、本にします」というつくり方はしない。有名な著者の名前で読者に接近する方法はとりません。中身とタイトルで直接、読者に接近する。それに著者の協力を求める。つくり方のベクトルが逆なんです。


最近、サイゾーで佐々木中さんによる「ニーチェを搾取し、ビジネス書を売りさばく今の出版界は死すべきか?」という記事を見かけたのですが、この考え方に強く共鳴します。

取材されている出版社

架空社 前野真
ぽると出版 和田由貴夫
不二出版 船橋治
めこん 桑原晨
ミュージックランド 山形朝子
檜書店 白石紀一
アース出版局 伏見雅明
ユック舎 岩崎悦子
梨の木舎 羽田ゆみ子
第三書館 北川明
ブロンズ新社 目黒実
ほんの木 柴田敬三
花伝社 平田勝
木犀社 遠藤真広
パピルス 鶴ヶ谷真一
悠々社 須藤忠臣
未知谷 飯島徹
三元社 石田俊二
南風社 平井順二
新泉社 小汀良久
影書房 松本昌次
ぺりかん社 救仁郷建
怪書房 原田奈翁雄
拓殖書房 西村祐紘
技術と人間 高橋
草風館 内川千裕
北斗出版 長尾愛一郎
土筆社 吉倉伸
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テーマ : オススメの本
ジャンル : 本・雑誌

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ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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