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世界各国、それぞれの国に初めて訪れた日本人は誰だったのか、どんな理由で行ったのかを集めた名珍書『そこに日本人がいた!』


そこに日本人がいた!―海を渡ったご先祖様たちそこに日本人がいた!―海を渡ったご先祖様たち
(2007/12)
著者:熊田忠雄
発行者:佐藤隆信
発行所:新潮社
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この本ほど変集者になってから地団駄を踏んだ本はなかったかもしれません。本当に自分好みの作品で、出たのを知って居たたまれなくなりました。「ありえない場所にありえないものがある」という情景に昂ぶる気持ちを抑えられない、ギャップフェチは本当に読んで損はありません。

この本は系統的には、キューバの中にあるグアンタナモ米軍基地など世界の飛び地を紹介した『世界飛び地大全』とか、在ワシントン・パキスタン大使館内別館で、事実上の大使館として機能しているイラン外交代表部に言及した『大使館国際関係史』、テヘランとテルアヴィヴを結んでいた、今では全く考えられない航空路線を扱った『時刻表世界史』などと似ていて、私が編集した一連の国際関係・外交オタク本に興味を持って頂けた方々には最大級にオススメです。


世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏 (国際地理BOOKS (VOL.1))
(2006/08)
吉田 一郎

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大使館国際関係史―在外公館の分布で読み解く世界情勢大使館国際関係史―在外公館の分布で読み解く世界情勢
(2009/04)
木下 郁夫

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時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線
(2008/09)
曽我 誉旨生

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ただこの本、結構前に出たし、各界で話題になったので知っている人は多いと思います。世界各地に初めて日本人として訪れたのは誰か、何故かを徹底的に究明している、稀に見るユニークな研究です。こうしたマニアックな企画はやれと言っても出来る訳ではなく、そのテーマの虜になった人が熱中しないとできないので、熊田忠雄さんは本当に貴重な研究をされたと思います。

一番印象に残っているのは、1904年にマダガスカルに日本人初で訪れた赤崎伝三郎。ホテル経営で財を成した伝三郎なのですが、日露戦争の時にロシアのバルチック艦隊が、日本海に行くまでの経由地として、マダガスカルの宗主国フランスに助けを仰ぐしかなく、ディアゴ・スアレスに寄港します。イギリスと敵対していたロシアは露仏同盟の為、ほとんどイギリス領だったアフリカ沿岸に寄港できなかったからです。その時、伝三郎は秘密裏にバルチック艦隊について諜報し、ボンベイ領事館の駐在武官東乙彦に情報をリークし、日本軍が勝利するのに寄与する訳です。しかし後継者がいなくて、1929年には帰国します。

1942年の第二次大戦では、今度は日本帝国海軍がディアゴ・スアレス湾に停泊中のイギリス戦艦ラミリーズに奇襲攻撃します。なんで日本がマダガスカルでイギリス軍と戦っているかというと、マダガスカル植民地政府はフランス敗戦後、ヴィシー側に付くのですが、ヴィシーは事実上日本と同盟国なので、そこを拠点にアフリカに侵攻されるのをイギリスが恐れ、日本が来る前にマダガスカルを抑えたからです。

マダガスカルという世界の僻地で初めて生きた、一人の日本人の一生の間に起きる事態から、日・露・英・仏の国際関係の複雑な展開、激動の現代史が、極端に伺い知る事ができ、これも僻地・辺境マニアとしては溜まらないエピソードですね。


すごいぞ日本人!―続・海を渡ったご先祖様たちすごいぞ日本人!―続・海を渡ったご先祖様たち
(2009/06)
熊田 忠雄

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『すごいぞ日本人!―続・海を渡ったご先祖様たち』という続編も出ています。国際関係マニア、外交オタク、帰国子女、海外経験のある人、僻地萌えはこの二つの本は絶対読んでおいた方がいいです。
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テーマ : オススメの本
ジャンル : 本・雑誌

tag : 熊田忠雄 そこに日本人がいた! すごいぞ日本人!

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ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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