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『アイラブユーゴ1 大人編』出来上がりました!

アイラブユーゴ1 大人編』が完成しました! 出来上がりの写真をお見せします。

ここのところTwitterでもユーゴ関係の事、アンバランスなぐらい呟きまくっている通り、個人的にユーゴにハマっています。まさに『アイラブユーゴ』状態です。


ユーゴの関係者とか、回し者と思われそうですが、全くそうではなく、ユーゴはおろかバルカンにも行った事がないし、セルビア人やクロアチア人など、旧ユーゴの国の人と会った事すらありません。日本橋のクロアチア料理Dobroに行った事があるぐらいです。


ユーゴスラヴィア」と言われても、人によってはその周りの東欧諸国とも余り区別が付かず(取次でウクライナと勘違いされた)、その中のOne of themと思われてそうです。


しかしユーゴスラヴィアは「地域研究」としての「ユーゴスラヴィア」という側面だけでなく、私が以前編集した『消滅した国々』としての解体国家、崩壊国家的な面、あるいは『ニセドイツ』とやや似た「分断国家」的な側面もあり、そして「共産趣味的な」面もあり、切り口がいくつもあって、実に多種多様な様相を帯びています。


また連邦制や自治、EUなどの地域統合、NATOやワルシャワ条約機構などの安全保証、そして民族問題や宗教問題、言語政策など、現代政治において普遍的なテーマと重なる領域がユーゴにはとても多く、特にユーゴだけにしか興味がないという人だけではなく、現代政治学全般に興味がある人にとっても、色々と示唆に富んだ国なのです。

と前置きはそのぐらいにしておいて、以下がカバー。

アイラブユーゴ

ユーゴスラヴィアの旗をあしらったつもりですが、青白赤と更には黄色で象られた赤星と、非常に色彩豊かで、正直トーンを統一するのは難しかったです。

アイラブユーゴ

縦から見たところ。


アイラブユーゴ

この一冊だと、よく分からないカバーかもしれませんが、この『アイラブユーゴ』は三巻までのシリーズで、後に出る2巻、3巻とカバーが繋がっているという仕組みです。そしてこの写真で少しヒントが隠されている通り、星のマークが繋がる予定です。この1冊だけ買っても、十分ユーゴを理解できる訳ではないので、是非2巻、3巻も合わせて買って下さい。1冊に出来なかったのは、あまりにも写真や話の内容が多いからです。


アイラブユーゴ

目次ですが、詳細はまた後日。


アイラブユーゴ

いきなりですが、右手にあるのは「ユーゴスラヴィア共産主義者同盟中欧委員会ビル」。旧ユーゴの中では最も高いビルだったのですが、1999年にNATOの空爆に遭います。今はショッピングセンターが横に出来ています。


アイラブユーゴ

パルティザンについての項目。執筆者の一人、山崎信一さんは『石の花』という漫画が切っ掛けの一つとなって、ユーゴ研究に入られたそうです。私も先週末読みましたが、時代考証も素晴らしく、特にヘンだと思うところは見付けられませんでした。


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映画『ネレトヴァの戦い』も有名です。


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アイラブユーゴ

自主管理社会主義についての項目。一部で誤解があるみたいですが、ユーゴスラヴィアはソ連の衛星国ではありません。逆にソ連からコミンフォルムを追放され、独自の立場を正当化する必要に迫られ、よりマルクス主義を正しく提唱し直したとする「自主管理社会主義」というイデオロギーを構築しました。ですので正確にはいわゆる「共産主義国」とも異なります。


アイラブユーゴ

自主管理社会主義の理論を完成させたユーゴスラヴィアのイデオローグ、カルデリの項目。

アイラブユーゴ

ユーゴスラヴィアを率いたのはティトーというカリスマで、第二次大戦でパルティザンを統率しました。この人物も一部で独裁者や個人崇拝を強いたという誤解があるみたいですが違います。他の東欧圏のソ連の傀儡っぽい元首達とは異なり、自力で本土を解放した事などから、ユーゴ国民の絶大な支持を受けます。またユーゴは後で民族紛争のイメージが強くなり、ティトーのイメージもそれと混ざっちゃってしまってる人がいますが、ティトー自身はセルビア人ではなく、クロアチアとスロベニアの混血です。

アイラブユーゴ

そしてティトーの外遊先。ティトーはソ連圏から排除され、ソ連が「チトー主義者」という言い方で非難したせいか、逆に活路をソ連の影響力の及ぶ共産圏以外の第三世界に見出し、また資本主義陣営ともある程度仲良くします。そしてその結果、世界的に一目置かれる存在に。色んな国に招待されて、大人気。アラファトやカダフィだけでなくチャーチルやエリザベス女王などの顔も見えますね。別のページでは現駐日本アメリカ大使、キャロライン・ケネディと写ってる写真まであります。

アイラブユーゴ

意外な事に日本にも来ていて、しかも日本が共産圏の首脳として一番最初に国賓として招いたのがティトーらしいです。昭和天皇との晩餐会。

アイラブユーゴ

後にユーゴ解体の切っ掛けともなり、幕引きともなる、アルバニア人が多数を占めるコソヴォ自治共和国を訪れた時のティトー。この様子を見る限り、歓迎されています。コソヴォという存在自体もユーゴスラヴィアを考える上で、非常に大事なテーマ。昔出した『アルバニアインターナショナル』を参考にして下さい。アルバニアとユーゴの関係も微妙でかなり面白い。


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一部の軍事マニアから大変な注目を浴びるユーゴ内戦。このページは主にユーゴスラヴィア人民軍(JNA)のものですが、パルティザンという形態が建国を導いた経緯があり、この軍隊以外の「全人民防衛体制」を採り、各構成共和国で女性を含め全ての国民に徴兵制が敷かれます。これがかえって仇となり、ユーゴ内戦期に武器が一般人にも流出したり、民兵が暗躍する下地となってしまいます。

アイラブユーゴ

順番が前後しますが、逆にコミンフォルムから追放された後、ユーゴはソ連とずっと敵対しているイメージもありますが、表向きそこまで酷い関係になる訳ではなく、むしろスターリン批判をしたフルシチョフの方から歩み寄りの姿勢を示します。ユーゴはコメコンのオブザーバーにもなっていますね。一番右に写っているカーネル・サンダースにそっくりの人はブルガーニン。

アイラブユーゴ

非同盟諸国会議に活路と存在意義を見出したユーゴは、第三世界、発展途上国との関係や結び付きを強め、そうした国からの留学生を大量に引き受けました。ユーゴスラヴィアというと民族主義のイメージが強いですが、むしろその前は同じバルカン民族だけでなく、全世界の民族と仲良くしていたコスモポリタン的な国だったのです。アフリカの黒人やアジア人達がユーゴに沢山いる写真がいっぱいあって、逆に新鮮です。

アイラブユーゴ

しかもアメリカもソ連を牽制する為にユーゴを東欧の橋頭堡として結構テコ入れして、社会主義圏で一番最初にマクドナルドが進出したのは、旧ユーゴのベオグラード。モスクワにマクドナルドが出来るのは90年で、それよりも2年前でした。


欧米とも親しくしていたユーゴですが、90年代以降、ミロシェヴィチのセルビア民族主義が台頭してきてから、スロベニア、クロアチア、ボスニアとの争いが酷くなり、その中でセルビアだけが一方的に悪者にされてしまい(という言い方が良いかどうかは別として、当時アカデミックな世界や書籍などではそう解釈された)、NATOの空爆を受けてしまいます。その度にセルビア民族主義者によって、マクドナルドはアメリカ帝国主義の象徴として、襲撃のターゲットに。


マクドナルドの存在一つをとっても複雑な国。セルビア以外の旧ユーゴスラヴィア構成国のマクドナルド分布表が面白いです。マケドニアでは権利問題で揉め事が発生し、13店舗あったのが2013年5月に全店閉店。


とこんな感じですが、これがまだ一巻だけ。これだけでもコンテンツ満載ですが、今回は政治や歴史、イデオロギーといった理論的な話だけで、第二巻の「男の子編」ではユーゴという車やJATという航空会社、見るからに異様な社会主義建築のビルや団地、そしてユーゴと言えばサッカー(個人的には全く興味ないが)など、男の子ウケするテーマです。


それから本とは関係ないですが、「ex-SFRY rock」(@exSFRYrock)という、旧ユーゴ諸国出身のメタルやハードコアバンドだけを紹介したマニアックなTwitterのbotがあります。非常にマニアックです。旧ユーゴはメタルはあまり印象ないですが、パンクは大変盛んな国だった様です。

https://twitter.com/exSFRYrock


さて『アイラブユーゴ1』ですが、本日2014年8月4日の夜19:30から新宿の模索舎で先行販売を開始しています。


一般の書店やオンライン書店の販売は恐らく8月11日頃を予定しています。『アイラブユーゴ』シリーズ、ご期待下さい。
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tag : アイラブユーゴ ユーゴスラヴィア ユーゴスラビア 自主管理社会主義 ティトー 非同盟

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ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

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