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『ニセチャイナ』完成しました! 中味お見せします!

正式発表から既にフライイング気味で話題の『ニセチャイナ』ですが、ようやく完成しました! カバーは以下の様な感じに仕上がっています!

ニセチャイナカバーw1

多少、扇情的ですが企画の本質を表しています。旭日旗の中に中華民国の青天白日旗が入っている訳ですが、中華民国臨時政府中華民国維新政府、中華民国南京政府、共に日本占領域で出来上がっていきました。


ニセチャイナ写真web1

ニセチャイナ』という書名に対して「中国を刺激しないのか?」という意見が寄せられていますが、むしろ中国の現政権、中華人民共和国としては日本が造った傀儡政府は「偽政府」なので、ネーミングとしては合致しています。


ニセチャイナ写真web2


かと言って、著者も編集者も特に中華人民共和国支持者という訳ではありません。この本の内容や記述は、イデオロギー的には中立です。考えてみるとこれからこの書名を毎回説明していかないといけないのかと思うと、少々面倒ですが、単なるダジャレとして受け取って貰えれば幸いです。



ニセチャイナ写真web3

特にコメントすべき点はありませんが、表紙はこんな感じ。


ニセチャイナ写真web4

冒頭にはカラーで各政権の旗が載っています。


ニセチャイナ写真web5

著者の広中さんが制作するのに非常に苦労し、一度は挫折しかけた政権の系統図。これをInDesign上で私が復元するのもとても大変で、私も何度か挫折しかけました。しかしこの系統図を何度も本文と見返せば、政権の変遷がよく頭に入ります。シンプルに見えますが、この系付図は他の本ではあまり見る事がないので、とても貴重です。


ニセチャイナ写真web6

各傀儡政権と中国全土の地図。実はこの地図は素材集などは結局使わず、海岸線や国境線、省線、鉄道路線など全て、この私がタブレットを使って、一から描き起こしました。結構大変ですが、地図を制作すると、各都市や地理が完全に頭に入るので、結構好きです。


ニセチャイナ写真web7

さて第一章は満洲国。傀儡国としては最も定番ですね。そしてこの本の中では最も分かりやすい国だとも言えます。


ニセチャイナ写真web8

各省にも系統図と地図を冒頭に設けています。


ニセチャイナ写真web9

満州国の黒幕、石原莞爾や板垣征四郎についての説明も。『ニセチャイナ』は中国史と思われそうですが、実は半分ぐらい日本史です。日本軍が傀儡政権を造ったからです。ですので「中国史はちょっと……」という風に思わずに、日本現代史、あるいは日本軍の話として読んで貰っても十分楽しめるはずです。


ニセチャイナ写真web10

張作霖や蒋介石の事は、この本を読む上では必ず知っておかなければなりません。日中戦争は太平洋戦争に比べて一般人の中ではよく理解されておらず、蒋介石率いる「中華民国」が何なのかという事をよく抑えていないといけません。くれぐれも日中戦争の時、今の「中華人民共和国」が中国全土を支配していて、日本はその共産主義の「中華人民共和国」だけと二国間の戦いをしていたと勘違いしないように。


ニセチャイナ写真web11

政府の組織図や重要人物の役職の表も載っています。


ニセチャイナ写真web12

『時刻表世界史』の曽我誉旨生さんに、満州航空や満鉄などの時刻表やパンフレット、そしてその解説文を書いて貰いました。交通路線図が見所で、当時の複雑な国際情勢も分かり、とても参考になります。


時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線時刻表世界史―時代を読み解く陸海空143路線
(2008/09)
曽我 誉旨生

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ニセチャイナ写真web13

「中国」ではありませんが、満州国を造った後、モンゴルに勢力を伸ばそうとした関東軍と、モンゴル民族の独立を目指した徳王の利害が一致して出来た蒙古聯合自治政府です。この国は『消滅した国々』でも紹介しましたが、変遷が非常に難しいです。この『ニセチャイナ』を読めば、よりよく理解できると思います。



消滅した国々―第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国消滅した国々―第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国
(2012/11)
吉田 一郎

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ニセチャイナ写真web14

『世界軍歌全集』の辻田真佐憲さんによる、満洲国の国歌がいかに巧妙に日本を賛美していたかなどを分析した、傀儡政府における音楽のプロパガンダ性についての評論や、通州事件などにまつわる歌謡曲や軍歌を紹介したコラムが二つあります。当時の国歌の歌詞と楽譜も収録しています。旧字体なので作字が大変でした。



世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代
(2011/12)
辻田 真佐憲

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ニセチャイナ写真web15

『ニセチャイナ』で最もマニア受けしそうなのが冀東防共自治政府。名前からしてカッコイイですよね。私が世界史で一番好きなのも極東共和国、サロ共和国、そしてこの冀東防共自治政府。著者の広中さんは冀東防共政府研究の第一人者です。日本では広中さん以外で特にこの政権について研究されている方もおらず、恐らく中国にもこの政権に特化して研究している人はおらず、それ以外の国の出身の研究者もいないと思われるので、恐らく広中さんが冀東防共政府に関して、世界で一番詳しい人。


この冀東防共自治政府満洲国が出来た後の日中の緩衝地帯なのですが、ユダヤ人排斥を主張していたり、密貿易で潤っていたりと、この本の傀儡政府の中でも最も怪しく、キワモノチックで、とてもマニア心がくすぐられます。


ニセチャイナ写真web16

冀東防共自治政府とセットで語られ、同じ様な存在としてよく誤認される冀察政務委員会について。この政府は蒋介石がその場凌ぎとして造った傀儡緩衝地帯で、更に怪しさ満点。


ニセチャイナ写真web17

次は王克敏が率いる中華民国臨時政府。この人相からしていかにも怪しい感じがしますが、娘は絶世の美女だったらしいです。また必ずしも日本軍の言いなりになっていた訳でもないらしいです。


ニセチャイナ写真web18

華北には幾つもの自治委員会、治安委員会が出来ました。この後、これらが統合されて中華民国になっていきます。ここまで些末な自治委員会を網羅したのも珍しいかと思います。


ニセチャイナ写真web19

華北で中国人の人心を得るべく活動していた「新民会」の元幹部、岡田春生さんの貴重なインタビューも収録されています。現在、97歳です。


ニセチャイナ写真web21

次は中華民国維新政府という華中に出来た傀儡政府です。維新政府というと橋下大阪市長の維新の会を連想してしまいますが、維新政府という傀儡政府が上海・南京エリアにあったというのも面白いですね。


ニセチャイナ写真web20

上海の浦東エリアに神道の天下一家思想に基づいた造られた「上海市大道政府」という、傀儡宗教国家という信じられない様なトンデモ傀儡政府まであります。


ニセチャイナ写真web22

そして最終章がハイライトと言っても良い、日本でも大人気の汪兆銘が率いる南京国民政府。私も汪兆銘に関する本はほとんど読みました。「傀儡」とか「漢奸」とか単純に一刀両断するのではなく、孫文の後継者でありながら、蒋介石との権力闘争で敗れ、最終的には対日協力政権の首脳になるまでの、複雑な生き様には常に考えさせられるものがあります。この辺りの政治的な評価は非常に難しいでしょう。


ニセチャイナ写真web23

太平洋戦争が始まってから、南京国民政府の支配領域はこのぐらいまで広がっていました。国境の動きが激しく、また資料も乏しいので、書籍でこの傀儡政府の国境が描かれた事も非常に少ないらしいです。


ニセチャイナ写真web24

私がこの企画をやっている中で最も興味を抱いた人が陳公博。汪兆銘が名古屋で死去した後、敗戦濃厚の中華民国の首脳の座に立った更なる「更なる苦難の道を」行った人です。彼は中国共産党創立時のメンバーでありながら、市場経済の重要性に気づき、共産主義に見切りを付け、コロンビア大学にまで留学した、複雑な遍歴を辿る人です。また広中氏曰く、傀儡政府研究者の中でも陳公博は「男の中の男」、まさに「漢」というイメージで、尊敬する人も多いらしいです。


ニセチャイナ写真web25

中華民国南京政府のそれ以外の政権の重要ポストを担った人達の紹介。傀儡政府と言ってもこれ以上の犠牲を避ける為に「救国者」として身を捧げた人もいれば、権力や金銭欲、利権の為に対日協力に傾いた人もおり、一概に善悪で判断を下しにくく、それぞれの人生ドラマに思いを馳せるだけで涙ぐんでしまうというところに、この企画のミソがあります。


ニセチャイナ帯w

帯が付いた状態のカバー。それぞれ色んな想いや背景、動機があって「傀儡政府」に関与しました。現在の価値観で彼らに対する評価を下すのは難しく、自分も当時その立場に置かれていたらどうなっていたか分かりません。それぞれにとっての「正義」や「和平」、「愛国心」がありました。


という事で、日中戦争、あるいは日中関係、中国現代史を「傀儡政権」という新しい視座で読み解く、『ニセチャイナ』、是非、お買い求め下さい。発売は6月21、22日頃です。全国の大型書店で販売される予定です。


尚、社会評論社と密接な関係にある、新宿のカルト書店、模索舎では本日、6月17日の夜から先行販売しています。明日も行けばあると思いますが、念のため先に確認してみて下さい。


模索舎のサイト
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tag : ニセチャイナ 広中一成 満洲国 蒙疆聯合自治政府 徳王 冀東防共自治政府 殷汝耕 中華民国臨時政府 王克敏 中華民国維新政府

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ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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