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アラブ移民主体のフランスのヒップホップを紹介した『フランス暴動 移民法とラップ・フランセ』

チュニジア系フランスのヒップホップAl K-Pote。無機質なバックトラックにカクカクした滑舌のリズム感が独特。



一部のラップ・ヒップホップファンからクォリティの高さでは、アメリカを凌駕しているのではないかとまで評されるフランスのラップ、"Rap Francais"を初めて単行本で紹介したのが陣野俊史フランス暴動 移民法とラップ・フランセ』です。


フランス暴動----移民法とラップ・フランセフランス暴動----移民法とラップ・フランセ
(2006/02/21)
陣野俊史
装丁:前田晃伸
河出書房新社
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この本は2005年にフランス全土でアラブ移民による暴動が吹き荒れた直後に出版されたものです。この時、暴動の主体となったのはパリやマルセイユなど大都市の郊外のスラムに住むモロッコ、アルジェリア、チュニジアなど北アフリカ出身移民の若年層でした。


出だしからしてナイトラーダー調でスリリングなDisiz。




彼らがなぜこの暴動を引き起こすに至ったか、その背景を詳しく解説しています。彼らの多くが、郊外のスラムのシテ(Cite)という廃墟の様な団地で生まれ育ち、まともな教育も受けられず、職にも就けず、やる事と言ったら、ジダンの様にサッカー選手を目指すか、悲惨な境遇をラップで表現するぐらいです。ラップと言ってもヤワなパーティー野郎の様なものではなく、ハードコア・ギャングスタ系で、そのリリックは下品で攻撃的。大統領になる前のサルコジ内相を扱き下ろしたり、放送禁止になったりします。


Alibi Montanaという若干とっちゃん坊やふうのラッパーも、挑戦的なラップで大迫力!




2005年パリ郊外暴動事件

実はこの本が刊行される少し前に社会評論社に入社したのですが、一番最初に担当した本が『自由に生きる フランスを揺がすムスリムの女たち』です。この本の著者はルーブナ・メリアンというアルジェリア系フランス人で、イスラム教徒に対する差別に抗議する活動を率います。


自由に生きる―フランスを揺がすムスリムの女たち自由に生きる―フランスを揺がすムスリムの女たち
(2005/02)
ルーブナ メリアンヌ

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入社直後で右も左も分からないので、既に出来上がっている堀田一陽さんの翻訳原稿を、ただ言われたまま使い走りの様に動いただけでしたが、それが朝日新聞の書評に載り、幸先の良いスタートを切ったと喜ばれました。その時は朝日の書評に載るという事が、編集者としてどういう意味かも理解していませんでしたが……。

『自由に生きる』朝日新聞書評


モロッコ出身のちょっとロバっぽい感じのKamelancien。一見、ホモくさくってまったく格好良いとは思えないのですが、個性的な声帯とねちっこいメロディが耳にこびりつく。




それからしばらくしてから『売女でもなく、忍従の女でもなく―混血のフランス共和国を求めて』という本も出します。この頃はフランスはCPE(初期雇用契約)デモで、若者達の反乱が吹き荒れていました。確かこの本の著者は年も私とほとんど同じで、なおかつ私自身がチュニジア育ちという事もあり、随分、親近感が沸いたものでした。



売女でもなく、忍従の女でもなく―混血のフランス共和国を求めて売女でもなく、忍従の女でもなく―混血のフランス共和国を求めて
(2006/05)
ファドゥラ アマラ

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それでなんか因縁めいたものを感じるのですが、これらの本とは関係なしに、ここ数年間、フランスのヒップホップ、ラップ・フランセに入れ込んでいます。一番最初にハマったラッパーはセネガル出身のSefyu。特に以下のMusculationという曲が格好良く、ベースドラムが爆音でスピーカーを振動させまくり、デス声に近いようなダミ声に、西アフリカに由来するのか、よく分からない意味不明な荘厳的な旋律が、超ヤバイ! これはヒップホップというより、民族音楽とかHorror Coreに聴こえる!





もともとブルータルデスメタルしか聴いてなかったのに、何でこんなジャンルに転向してしまったのか、自分でもよく分かりませんが、もしかした幼少期をチュニジアで育ったので、身体にアラビア音階やライ(マグレブのポップス)のリズム感や旋律が染みこんでいるからのかもしれません。



やっぱりAl K-Poteが一番、メタリックでダークで陰鬱で、フランス語とは思えないハードな質感でカッコイイ! チュニジア系というのも嬉しい!




ただしヒップホップはデスメタルなどと比べて、アンダーグラウンドシーンの層が薄く、いきなりメジャー流通になってしまう様で、アーティスト数が圧倒的に少なく、すぐにほとんど全て聴き尽くしてしまいました。最近はあまり良い新人も出てこなくなり、ドイツやポーランドの方がレベルも数も盛り上がってきている気がします。少なくとも世界でアメリカの次に熱いヒップホップシーンは、フランスからドイツに移行したと言っていいと思います。

他にフランスでオススメのラッパーはRohff、Booba、Kery James、La Fouine、Salif、Sinik、Mac Tyer、Nessbeal、Youssoupha、Seth Gueko、Alpha 5.20、Medineなど。

最近、大活躍のZeler Lim。一部でフランスのEminemと言われているか?と思うぐらい似てる。




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さっきのALKPOTE - ALLEZ BOOM NEOCHROME 2010だけど、超重要な事言い忘れた! 寿司屋でロケをしたらしく、舟盛りしながら寿司を頬張り、日本刀と中華包丁を振りかざしながら、フランス語でラップしてる! ラップ・フランセでもクールジャポン状態に!

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tag : 陣野俊史 フランス暴動 自由に生きる 売女でもなく、忍従の女でもなく Sefyu Al K-Pote Alibi Montana Zeler

プロフィール

ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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