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親日デスメタル・ヒップホップ大国ポーランドと日本の関係を扱った『日本・ポーランド関係史』


日本・ポーランド関係史日本・ポーランド関係史
(2009/05)
エヴァ・パワシュ=ルトコフスカアンジェイ・タデウシュ ロメル
訳者:柴理子
彩流社

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最近読んだ本の中で、国際関係ファンとしては結構興奮したのが彩流社から出ている『日本・ポーランド関係史』です。日本とポーランド、一見それほど関係がないのではないかと思われそうですが、実はかなり複雑な結び付きがあります。

長らくロシアの支配を受けていたポーランドは、日露戦争でロシアを負かした日本に対して憧れと尊敬の念を抱きます。ポーランド共和国建国の父、ユゼフ・ピウスツキ大統領は日露戦争の戦功を挙げた日本軍人に軍事功労賞を与えたりもします。ただ授与時は戦争から二十年も経っており、受勲者はロシア支配下のポーランドについて特にそれほど意識していなかったはずですが……。また蛇足ですがピウスツキの兄、ブロニスワフ・ピウスツキはアイヌ研究者でアイヌ人と結婚しており、その子孫は今でも日本に住んでいるらしいです。

独立後もポーランドにとってソ連は脅威であり、東でソ連と対峙する日本に防衛上の期待を抱きます。一方、日本はというと新興国ポーランドについては、正直よく分からないし、関心も薄いといったところ。

しかしロシア革命後、世界中から全く相手にされなかったどころか、シベリア干渉戦争などで潰されかけまくったソ連がようやく国際連盟に加入します。更には対ドイツ封じ込めの為、仏ソ総合援助条約まで締結されるに及んで、西欧はアテにならないと危機感を抱いたポーランドは、ますます日本を頼る事になります。結果、満州事変や日華事変でも日本寄りの姿勢を示します。

しかし皮肉な事に日本は日本で、ソ連に対抗するために、ヨーロッパで勢いを増すドイツと日独防共協定を結んでしまいます。そしてイタリアも日独防共協定に加入するに及んで、今度は日本からもポーランドもこの防共協定に加入するよう、圧力がかかります。ソ連同様、潜在敵国ドイツと同じ陣営に加わる訳にもいかないポーランドは結局、加入せずむしろ、日独の蜜月に弾かれてしまい、中途半端な存在に……。

しかしその後、日独防共協定を無視して、一方的に独ソ不可侵条約を結び、ポーランド侵攻を開始したドイツに対して、日本は深刻に不信感を強めます。そして敗北したポーランドの在ロンドン亡命政府の諜報機関の連絡将校をドイツ、バルト諸国、スカンディナビア諸国公館で匿い、ドイツの軍事情報の収集の為に密かに活用します。

特に有名なのがストックホルム駐在武官小野寺信少将の話です。ミハール・リビコフスキーというロンドン亡命政府に属する情報将校に満州国、そして日本のパスポートを与え、在ストックホルム大使館で匿い、バルバロッサ作戦、またドイツ軍の敗退の予想など幾つもの貴重な情報・アドバイスを受けます。

小野寺の妻である小野寺百合子は、そのリビコフスキーらポーランドスパイから得た情報を元に、日本外務省に対し警告電報を送りまくります。結局、それを聞き入られる事はありませんが……。

その話は小野寺百合子『バルト海のほとりにて』という名著で詳細に記されています。こちらの本は数年前に読んだのですが、かなり面白いので超オススメです。またもう一人の重要人物、杉原千畝のスパイとしての側面は最近出た『諜報の天才 杉原千畝』でいつか書評してみたいです。


バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争バルト海のほとりにて―武官の妻の大東亜戦争
(2005/07)
小野寺 百合子

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諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)
(2011/02)
白石 仁章

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あと今図書館で借りてて読もうと思っている、より一層重厚で難解そうな『世界のなかの日本・ポーランド関係 1931‐1945』という本もあります。


世界のなかの日本・ポーランド関係 1931‐1945世界のなかの日本・ポーランド関係 1931‐1945
(2004/11)
阪東 宏

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という訳で日本とポーランド、常にアンバランスで一方的な片想いをされたり、交戦国となりながらも裏で繋がっていたりと、色々と密かに深い関係があったのでした。

で何でいきなりこんな唐突にポーランドの話をしているかというと、この一年ぐらいポーランドのヒップホップにハマってるからです。ポーランドと言えばVaderやBehemoth, Dead Infection, Decapitated, Squash Bowels, Graveland, Sirrahなどデスメタル、ブラックメタル、グラインド大国として知られていることは言うまでもありませんが、どうやら近隣の東欧諸国に比べてもハイレベルなGangsta Hiphopを輩出しているみたいです。

一番最初にハマった切っ掛けはDon Guralesko。あんまりGangという感じではないが、キムジョンナム似のラッパーのダミ・ハスキー声質と中近東風バックトラックが良い! 最新アルバム"Totem Leśnych"はより格好良くなってる!





音が悪いんですけどNon koneksjaとLukasyno。一番ダークで怖い感じ。こちらはHorror Core入ってて、かなり中毒。



あとオススメはTomiko(日本語から来てるのかな?)、Bez Century, DJ600V, Firma, Peja辺りか……。日本でポーランドのヒップホップに詳しい人いたら、連絡下さい。
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tag : 日本・ポーランド関係史 エヴァ・パワシュ=ルトコフスカ アンジェイ・タデウシュ ロメル 柴理子 Don Guralesko Non Koneksja

プロフィール

ハマザキカク

Author:ハマザキカク
社会評論社のサバカルチャー編集者。チュニジア、フィリピン、イギリス、日本育ち。企画、組み版、カバー、全て一人で行っている。毎日必ず最低一企画は立案している。国際関係、共産趣味、変な物のコレクション、そして珍書を柱に、常時30企画を進めている。

手掛けた作品は
『世界各国女傑列伝』
『敗戦処理首脳列伝』
『ゴム銃大図鑑』
『人種マニア』
『超高層ビビル1・2・3』
『一発朗』
『即席麺サイクロペディア』
『ダメ人間の日本史』
『ダメ人間の世界史』
『ほったいもいじるな』
『エロ語呂世界史年号』
『いんちきおもちゃ大図鑑』
『ニセドイツ1・2』
『アルバニアインターナショナル』
『大使館国際関係史』
『ゴム銃オフィシャルガイドブック』
『時刻表世界史』
『世界の首都移転』
『ファーストフードマニア』
『コーラ白書』
『世界飛び地大全』

等多数。

今までハマザキカク個人名義で書店フェアを9回開催した。ブックファースト梅田店『濱崎誉史朗フェア』、三省堂神保町本店『ハマザキカクフェア』、有隣堂ヨドバシAKIBA『Cool Ja本』『Fool Ja本』マルサン書店『Cool Ja本』ジュンク堂書店新宿店『ゴム銃大図鑑フェア』『松マルクス本舗 松田健二の下で働く濱崎誉史朗が選ぶ共産趣味本』等。

現在有隣堂ヨドバシAKIバカVol4『夏葉原 懐かしい昭和のレトロ本』開催中!!』開催中!

この『Cool Ja本』ブログ2011年度スゴブロ4位受賞!

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