ハマザキカク特集『新文化』2011年6月2日全部掲載!

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
『新文化』2011年6月2日で特集されたハマザキカクの文章を全部掲載します!クリックすると大きくなります。
テキストデータは以下です。
企画・編集から書店フェアまで一貫してひとりでプロデュース
社会評論社といえば、人文社会学系の硬派出版社。そこに、ひと際異彩を放つひとりの編集者がいる。濱崎誉史朗氏(32)だ。2004年の入社以来、一貫してサブカル系本の企画・編集を行ってきた。また最近は、「ブックフェアプロデューサー」「書評ブロガー」としても活躍中。その仕事ぶりはもはや、単に書籍を作るだけに留まらず、書店フェアを仕掛けSNSで読者とつながりプロデュースする“未来の編集者像”のようにも映る。濱崎氏の仕事を通して、これからの編集者の果たす役割を考えてみたい。(本紙・加勢美佐緒)
編集者を「キャラ化」
記者が初めて濱崎氏に取材をしたのは昨年3月。東京・千代田区の三省堂書店神保町本店5階の理工書フロアで展開した「ハマザキカク」フェアだ。ハマザキカクとは、“濱崎”と“企画”を合体させた造語。つまり濱崎氏が企画した本のこと。
傍らには濱崎氏の等身大パネルが設置されている。170センチーメートルの身長にがっしりとした体躯、独特の形にたくわえられた口髭と顎髭に背中まで伸ばした長髪。しかし、ここまで編集者をアピールしている書店フェアは、かつてあっただろうか。
濱崎氏は「普通の本は、著者が看板になっているが、私が編集した本は、編集者である私自身の存在感が著者と同じくらい出ている」と話す。たしかに、これまで濱崎氏がつくってきた本は一貫して独特の特徴を持っている。『超高層ビビル』『ニセドイツ』『ダメ人間の世界史』『いんちきおもちゃ大図鑑』『世界飛び地大全』……。マニア心をくすぐりつつ、でも専門的過ぎず、思わず「なんか面白そう」と手に取ってみたくなる本ばかりだ。
これらの企画は、濱崎氏がインターネット上で見つけた面白いサイトを書籍化したものが多くを占めている。いずれも初めて本を書く、無名の著者ばかり。このやり方で06~09年に出した本のうちの6割が重版されている。
「濱崎のつくる本は、我が社では一分野として既に確立している」。そう話すのは、社会評論社の松田健二社長(70歳)だ。
入社当初の濱崎氏は、学生時代に読んだ共産主義思想書などの影響もあり、左翼的な発想が目立ったという。しかし、実際に社会評論社で働いてみると、濱崎氏は「自分は本当の左翼とはちょっと違う」と思い始めた。
そんな時、ふとインターネットで面白いサイトを見つけた。世界中の飛び地状になっている各国の領土を集めた「世界飛び地領土研究会」だ。貪り読んでいるうちに、「これが本になったらいいのに……」と思ったのが「ホームページ書籍化」路線の始まり。編集処女作『世界飛び地大全』(06年8月刊)はこうして生まれた。
企画会議せず 脱“幕の内弁当”
しかし、単にHPをそのままをページ化して、書籍にするのではない。カバーデザイン、組版、帯コピーなど一貫した書籍製作を、濱崎氏ひとりで行う。前職がIT関係勤務でPCに強いこともあるが、本づくりには濱崎氏独特のセンスが光る。
ただひたすら、世界中の超高層ビルの写真をカラーで載せた本がある。『超高層ビビル』(08年6月刊)だ。当初、タイトルは『日本の超高層ビル』『超高層ビル写真集』などを考えていたのだが、まったくしっくりこない。また、これらのタイトルはあまりにも凡庸で、SEO対策的にもよくない。「ビル、ビル、ビル、ビル……」と唱えていたら“ビビル”というフレーズが浮かんだ。
「超高層のビルにびっくりしてビビル。ゴロと意味がぴったりだと思った」。現在、「超高層ビビル」シリーズは3作を数えている。
濱崎氏の仕事の特徴は、HPの書籍化、無名著者への執筆依頼、遊び心溢れすぎる企画の提案など……。本がなかなか売れず出版不況といわれるなか、社会評論社のように、若手編集者に裁量を委ねる例は稀だ。
「本の企画・編集に関しては、上司が下手に口を挟むよりも、新たな創造的プランを若手に出してもらったほうがいい。本づくりは映画制作に似ていて、すべての過程をトップが一貫して仕切ったほうが、いい本ができる」と松田社長は話す。
濱崎氏は「裁量を与えられたことで、作りたい本を、スピーディに刊行できる。多くの出版社は、まず企画会議を行うが、様ざまな意見が出されて、いわば“幕の内弁当”的な企画になってしまう。それでは本の持ち味となるべき毒的な要素も抜けてしまう。そして、完成までに余計な時間もかかる」。
濱崎氏は、09年に7冊、10年に8冊もの本を作り上げている。
編集者に2つのタイプ
企画型と校正型
濱崎氏は編集者を2つのタイプに分類する。
ひとつは、学者や作家が書き下ろした原稿をきれいに編纂する「校正型編集者」。
もうひとつは、ゼロから発想を生み出し著者を見つけ、本の完成を見届けた後、フェアなどを仕掛けてプロデュースする「企画型編集者」。
現状、後者の編集者は少ないようだ。「会社の方針や所属する部署の関係で、本当に作りたい本が作れない編集者はたくさんいる。そういう意味では自分はラッキーだ」。
順調そうに見える濱崎氏だが、いま、編集者として大きな危機を感じているという。
実は、昨年以降、自分が担当した本が1冊も重版されていいない。これまではこんなことはなかった」。ある時、某大手出版社の編集者から「濱崎さんは面白い本をたくさん作っているのに、PRが全然できていない」と指摘された。確かに、ただ本を作って配本しているだけだった。
書店フェアプロデュース、書評ブロガーも
そこで、自身が企画した本やプロデュースした書店フェアを紹介するサイトの立ち上げを、昨年10月に決めた。また、自分が作りたかった企画の本や、そのほかの面白い本を積極的にブログ、ツイッターで取り上げ“書評ブロガー”としても知られるようになった。ビジネス界きっての書評家で、元マイクロソフト社長の成毛眞さんが主催する書評サークルでは毎月コラムを執筆している。これも、インターネットを通じてできた縁だという。
書店フェアのプロデュースも、当初と比べてそのスタンスはガラッと変わった。
09年12月、大阪・北区のブックファースト梅田店のフェアでは、濱崎氏が編集した本や影響を受けた本・計20冊余りを選書した。「当時は、売れる本を選ぶという意識はなく、大昔のものや有名すぎる本も選んでしまった。結果、一ヶ月間で8冊しか売れなかった」という。
その後、濱崎氏の等身大パネルやインターネットでのPRに注力。選書にも2冊3冊まとめて買いたくなるようなものを取り揃えた。
「一等地にある書店の店頭でフェアをすることは、売上げを立てて結果を出すことが責任を果たすこと」と話し、昨年5月に行った東京・千代田久の有隣堂ヨドバシAKIBA店の「Cool Ja本」フェアでは1ヶ月間半で売上げが100万円を超えた。
現在開催している有隣堂ヨドバシAKIBA店の「松マルクス本舗」は、その名からもわかる通り東京・千代田区の丸善丸の内本店の「松丸本舗」のパロディ版。共産主義を興味本位で楽しむ“共産趣味!!“がキーワード。同店では今後も別のテーマで濱崎氏がフェアを企画していく予定だ。
長期的な書店プロデュースを行うことにより、店頭での宣伝効果と人脈作りに繋げたいという。
「35歳くらいまでに書店のプロデュースを自分のかたちにしたいと思っています。人文書出版社はわりと受け身の編集者が多いようだが、自分はやれることをなんでもしたいと思っている」。
この号が出てから1ヶ月ほど立ちましたが、色んなところで祝福のメッセージを頂きました。有り難うございます。ただ実際に見逃してしまった人がかなり多かったので、今回全部記事を掲載する事に踏み切りました。ハマザキカクの良い噂を広めてくれると有り難いです(笑)
補足:一つ訂正ですが、成毛眞さんと東えりかさんが率いる「東京HONZ」のコラム連載は、これからの予定でまだ始まっていません。「これから書く事となる」と言ったはずなのですが、事前に原稿を見せてもらう事ができなかったのでこの様に掲載されてしまいました。関係者には深くお詫び致します。


2011年6月2日発行『新文化』8面にハマザキカク特集が掲載されました!
だからこうしてブログやフェアなど一生懸命やっている、
ハマザキカクの特集が『新文化』に載りました!

本日2011年6月2日刊行の『新文化』の第八面、最終ページです。『新文化』は言うまでもなく出版業界紙で、出版関係の人であればみんな読んでいる新聞です。でも駅前の書店等でも普通に売っているので、一般人も容易に手に入れる事ができます。
「敗軍の将、兵を語らず」
……という訳ではなく、今日出たばっかりでそれをネットに全部載せる訳にはいかないので、内容について知りたい方は書店で買って読んで頂ければ幸いです。もしかしたら次週号が出たら部分抜粋して、中味を紹介するかもしれません。

こんな感じです。「未来の編集者像」って……持ち上げられ過ぎ(笑)
かなり詳しくハマザキカクについて語りました。今までよく出版業界人や一般読者から質問された事についてもある程度、踏み込んで答えています。少し大袈裟な表現になってしまった部分もありますが、私が一読者だったとしても、かなり読み応えのある記事になっていると思います。
今日早速、インタビューをしてくれた加勢美佐緒記者が見本誌を届けてくれました。去年の同紙の三省堂神保町本店の取材に引き続き、私の編集者キャリアを引き上げてくれている恩人です。本当に有り難うございました。深く御礼申し上げます。
今日が人生のクライマックスにならないように、この記事を武器にして、更に面白い企画・フェアをガンガン仕掛けていきたいと思います。よろしくお願いします。


日本経済新聞、2010年4月4日で載ったハマザキカクの取材記事
なんで今更こんな事を発表するの?という感じもしますが、ちょっと自分でも今までに登場したメディアや書評、インタビューの記録が分散してて、収拾が付かなくなってきたので備忘録的に、過去のも遡って、ここに少しずつまとめて載せる事にしました。
去年、このフェアを開催していた直後、日本経済新聞の柏崎海一郎さんから連絡を頂き、取材を受けました。その時は『新文化』という出版業界の業界紙に引き続いて、二回目のインタビューだったので大変驚き、社長室で三時間ぐらい話しました。
『新文化』のインタビュー記事はこちら

日本経済新聞、2010年4月4日、「編集者が踊る販売最前線」
柏崎さんが想定していた時間よりも大幅に長く話し込んでしまったので、「紙面が足りなくなってしまう」と事前に連絡を頂きました。載せて貰える事だけでも有り難いので、別に特に気にしていなかったのですが、他の編集者も載ると仰っていて、ホンの少しだけ「ちょっと邪魔だなー、独占インタビューだったらスペースが増えたのに……」と内心思ったのも事実。
そしたら逆に今、出版業界でも勢いのある出版社として大注目の羽鳥書店の羽鳥和芳さんが一緒に載っていて超ビックリ! 羽鳥和芳さんと言えば東京大学出版会で『知の技法』など数々の名著を手掛けられた、私なんかは一生足元にも及ばない、超有名編集者です。「逆にその方と一緒の枠に並んで自分の格も吊り上げられてラッキー! しめしめ……」とほくそ笑んだのでした。卑しくてスミマセン。
羽鳥書店はその前から新興の出版社なのに、ガンガンうまーく営業しているのがとても気になっていました。特に一番スゴイ!と思っていたのが、東京都内の書店フェアを常に巡回して、全てレポートしているページです。このページで何回も私のハマザキカクフェアも紹介させて貰いました。なんかこのリストからコレクター癖的な臭いがする(笑)。
羽鳥書店の凄腕営業マン、糸日谷智さんが常に収集し続けている東京都内の人文書フェアリスト
私も書店フェアプロデュースに力を入れ出してから、ずっと各書店のフェアの動向が気になっています。ただし本職は編集者なので、書店廻りはできません。ですのでこの糸日谷さんのプロジェクトは本当に参考にしていて、とても助かります。いつもチェックしています。
いつか会えたらいいなーと思ったら、偶然、ある飲み会で挨拶する機会を得ました。その時は同じテーブルにジュンク堂書店新宿店の樽井恭子さんもいて、そこで『ゴム銃大図鑑』フェアの話にも繋がりました。
この前、版元ドットコムの会議でもたまたま糸日谷さんが偶然隣座っていて、どうやら私が崇拝する高井ジロルさんともサッカー繋がりで親しい様子。本当に出版業界は狭い! 狭すぎる……。全く関係なさそうな人が関係あったりする。
今までは本をコツコツマジメに会社で篭もって編集していればいい、ぐらいな意識しかなかったのですが、徐々にいかに売るか、そしていかに仕掛けるか、という事に関心が出てきて、社長に社として、版元ドットコムに入会したいと言ったら、「だったらお前やれ」という事で、私が担当になってしまいました。
こうなったら結構色々大変そうだけど頑張る! よろしくお願いします。


2011年3月8日付け東京新聞に『ゴム銃大図鑑』について担当編集者として取材されました!
先週、会社の代表メール宛に東京新聞から、『ゴム銃大図鑑』について編集者にインタビューしたいという旨のメールを頂きました。よく考えると本について著者ではなくて、私が取材されるのは初めての気がします。
最終紙面の「みやこ de プチブーム」というコーナーに載っています。取材して頂いた大山くまおさんが、個性的な趣味を定期的に紹介しているとの事で、本が出ている場合、その編集者に取材しているそうです。何だかゴム銃について私が語るのはおこがましい気もしましたが、掲載日も迫っていたので分かる範囲で、快く引き受けました。
その記事画像をよく読めない程度に掲載します。本日発売しているので、東京近辺の方は是非ご購入下さい。

部分引用すると
輪ゴムを飛ばすことに熱中している大人たちが大勢いることを知って驚きました」と語るのは担当編集者の濱崎誉史朗さん。書籍の企画を探していたとき、日本ゴム銃射撃協会のことを知り、早速彼らが主催する公式競技会を見学した。「子どもとおじいちゃんたちが仲良くゴム銃で遊んでいる光景に感動しました。既製のおもちゃではなく、何もないところから想像力と技術で遊んでいる人たちが大勢いる。これはもう、一つの文化だと思いました」
初めてゴム銃を見た時はその奇抜さ、派手さに度肝を抜かされました。多分そうした驚きで興味を持つ人が多いと思います。
しかし企画として進めるうちに、何だかゴム銃が放つキワモノっぽさよりも、オトコの狩猟本能、銃に対する造形美、そして無から創り上げる創作性に惹かれていきました。この本は眺めているだけでも癒されます。まだ店頭には沢山配本されていますので、書店でご購入頂ければ幸いです。
大山くまおさんのホームページは以下です。実は大山さん、出版界で大先輩に当たる事が判明し、『ゴム銃大図鑑』の話も交えて、出版について色々と教えを請い、四時間半も話し込んでしまいました。この様な機会を頂き、深く御礼申し上げます!
くまお白書2
そして大山くまおさんは『バンド臨終図巻』の執筆者の一人でもあるのですが、実はほとんど同じ様な企画、この本が出る前から考えていました。……と言ったらズルイですが、本当に考えていて、この本が出た時はショックでした。デスメタルの人間関係、崩壊過程、引き際など色々、見聞きするので人間ドラマとして興味深いと思って、いつか本にしようと思っていました。『バンド臨終図巻』、オススメです!
![]() | バンド臨終図巻 (2010/04/22) 速水健朗、円堂都司昭 他 商品詳細を見る |
大山くまおさんが書いた、大人気の本です。
![]() | 名言力 人生を変えるためのすごい言葉 (ソフトバンク新書) (2009/06/16) 大山 くまお 商品詳細を見る |


2011年3月5日発売の『図書新聞』で「有隣堂ヨドバシAKIバカ」が紹介される!
図書新聞は『新文化』『読書人』と並んで出版業界人必読の新聞。特に人文書、社会科学書、思想書、学術書、専門書の書評のレベルの高さには定評があり、社会評論社の読者層の多くの方々が読んでいます。自分も毎号、目を通しています。弊社の広告も定期的に載せています。
そんな『図書新聞』の第3005号の「information」コーナーで「有隣堂ヨドバシAKIバカ」が紹介されました。第一弾の『Fool Ja本 世界で通用しないバカ本』の次の第二弾のフェア名が載っています。
実は次のフェア名については、昨日の「あらたにす」の「書店員さんのおすすめ」コーナーの「有隣堂 ヨドバシAKIBA店 主任 北條純夏さん」でも載りました。
「あらたにす」で「有隣堂ヨドバシAKIバカ」が載ったページ
図書新聞は本屋などで手に入ります。発売直後なので小さい画像を載せます。詳しく知りたい方は是非、『図書新聞』をお買い求め下さい。

『図書新聞』そして紹介記事を掲載して頂いた馬渡元喜さんには、深く御礼申し上げます。実は一昨日、まだ発売される前のこの号を、わざわざ馬渡さん自ら弊社に届けに来てくれて、本当に感激しました。優しい人だなー。本当に感謝しています!
『図書新聞』のホームページ

